アストラリス: オ'RENJI 🍊
「背中に描かれたオレンジほど、恥ずかしいものはない。」
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朝の冷たい空気がまだ残るアストラリス学園。
教員会議室には、すでに何人かの先生たちが集まり、静かに開始を待っていた。
その中で、ユキナはいつものようにリラックスした様子で座っている。
しばらくして、扉が静かに開き、リリアナが柔らかな笑みを浮かべて入ってきた。
「おっ、リリ!おはよ〜!」
「おはよう、ユキ。えっと……まだ始まってないよね?」
「うん、まだ。あと何人か待ってるだけだよ。あ、そういえばレンジは?」
「さあ……また遅刻じゃない?」
「ふ〜ん……それならちょうどいいね、ふふふ。」
ユキナの目が一瞬、妖しく光った。
「ユキ?どうかしたの?」
「ううん、なんでもないよ。」
にっこりと微笑みながらも、心の中では——
(ふふっ……これはいいショーになりそう♪)
可愛い笑顔の裏に、いたずらな笑みが浮かんでいた。
数分後、会議は正式に始まった。
教員たちの前に立つベテラン教師が、きびきびとした口調で話し始める。
「さて、今日の議題は学園の防衛システムについて——」
ガラァンッ!!
突然、勢いよくドアが開き、全員の視線が一斉に向く。
「す、すみません!遅れました!」
息を切らしながらレンジが飛び込んできた。
「まったく……また遅刻か、レンジ。」
「申し訳ありません!次は絶対に遅れません!」
「はぁ……まあいい。クリスタル・プロジェクターは持ってきたか? さっさと机に設置しろ。」
「了解です!」
レンジは慌てながらも手際よく動く。
だがその背を見た瞬間——
「……な、なんだそれは……」
教師の顔が一瞬で固まった。目を見開き、言葉を失う。
後方のユキナは口を押さえ、必死に笑いをこらえる。
リリアナが小首をかしげる。
「どうしたんですか、先生?」
「……う、うしろ……!」
「え? 後ろって?」レンジが振り向いた瞬間——
教員室が一斉に静まり返った。
誰もが顔を引きつらせ、肩を震わせている。
「パ、パーカーの背中に……!」
「え? なんですか!? 僕の背中がどうしたって!?」
ユキナはもう限界だった。
「せ、先生っ……トイレ行ってきます!!」
「……あ、ああ。」
「ありがとう……ぷっ、ひひひ……っ!」
バタン——
ドアが閉まった途端、廊下に響き渡る。
「アハハハハハハハハハハ!!!」
教員室は大爆笑の渦に包まれた。
レンジだけが状況を理解できず、涙目でリリアナを見る。
「リリィ……一体、何が起こってるんだ!?」
「あなたの背中……見たほうがいいと思うわ。」
「はぁ!? な、なんで!?」
慌てるレンジの前に、先生が鏡を差し出した。
彼が恐る恐る振り向くと——
そこには、彼自身の顔がどでかく描かれたオレンジの絵。
しかも表情はアホっぽく、顔色まで鮮やかなオレンジ色に光っている!🍊
……数秒の沈黙のあと。
「ユキナァァァァァァァァァァーーーー!!!」
彼の絶叫が学園の廊下全体に響き渡る。
その外で、ユキナはまだ笑い転げていた。
> ✦読んでくださってありがとうございます!
教師たちにも、たまにはこんな日が必要ですよね?😂
面白かったら★をお願いします!コメントも待ってます🍊✨
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