水戸黄門・第一部

福竜

第1話 助さんと看板娘・10

 オレは、一路花屋へ向かう。みくちゃんの喜ぶ

顔が見たい。花束を贈れば、きっと彼女も。。。

「す〜けさんっ♪」

背後から女性の声。オレを追い抜き、こちらを向いて立ち止まると、

「助さん大すき♪」

とウインクして、どこかへ行ってしまった。

かわいかった。どこの人だろう?

(いやいや!)

オレは頭を横に振る。オレにはみくちゃんがいる。

浮気は厳禁だ。

「!!」

背後に気配!八時の方向を見る!

通りの角から男がこちらをうかがっていた。

あ!

男はひょっこり隠れた!

「・・・。

 あれが噂のひょっこりはんか。」

市井(しせい)では、彼を見かけると、小さな幸せが

舞い込むらしい。

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