レコーディング④
マキちゃんをゲストに迎えたレコーディングの打ち上げは、場所をカラオケに移していた。
先ほどの居酒屋では、鋭い質問に戸惑ったが、カラオケだとそこまで深い話にならない。
正直、助かっている。
そんな中、僕はカラオケのフロント付近にある、喫煙所に来ている。
今日も長くなりそうなので、一息ついているところだ。
落ち着く…
なんて思ってると、喫煙所のドアが開いた。
誰か来たみたいだ、ちょっと端に寄らなければ…
「先輩…」
「ほのちゃん!?」
ほのちゃんはタバコを吸わない。
「どうしたの?」
「あの…その…えっと」
なにか言いづらいことだろうか…
さっきの居酒屋での会話もあるし、少し気恥ずかしい。
「今日…レコーディング…楽しかったですね…」
わざわざ喫煙所まで来てくれたのだから、何か重大な話かと身構えていたが、普通の会話だ。
どうしたんだろう?
外の空気を吸いに来たら、僕を見つけて、来てくれたのかな?
「そ、そうだね!色々と難しかったけど、結果うまくいって良かった!」
「先輩のドラムも…いつも通りの実力が出せて…よかったです…」
「ほのちゃんのアドバイスのおかげだよ!本当にありがとう!」
「…!…いえ…とんでもないです…私はただ…」
ほのちゃんが止まってしまった。
「ほのちゃん…?」
「…」
飲みすぎてしまったのだろうか?
「ほのちゃん大丈夫?お水とか買っ…」
「今日、先輩の家に泊まっても良いですか?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます