後章 赤い十字と白の塔 11
手首の力で回し、押し込む。
襲いきたのは、刺すような赤い光と、鮮烈な風。
「塔の西側だ……」
相当な広さのある広間に、机がいくつかあって、その半分は足が折れるなどの損壊をきたしていた。書庫と机がたくさんある手前側に対し、外は断崖。部屋の半分が丸ごと失われている。
小さな破片が壁面にぶつかり、転がっていく音がした。私たちが歩くたびに、何かしらの音が出た。
空中へむき出しになった破壊面は、今もなお崩れ続けている。
そして無数のヒビは、我々の足元にまで達する。
ここが終点だ。
ディックが部屋の北向きの壁を指差して言った。
「ああ、そうだ、あの窓だ」
ガラスがとうに砕け、枠だけになった窓が確かにそこにある。
しかし私の目は窓を見なかった。壁にスプレーアートで描かれた殴り書き。まず黒い塗料が、壁を横に薙ぎ切るように、ローマ字と漢字を用いて次の文字が綴られている。
〈Lowing:持続的低下〉
形容詞lowと、感情代行詞ingの連結。それを持続的低下と訳したのだろう。
塗料はもう一つ使われていた。
血のように赤黒い色でlowとingの間を裂くように、文字が刻まれていた。それはlowingの筆致よりも力強く、強い感情を喚起させるものだった。正か負か、希望か絶望かは今となってはわからない。
今にも動き出しそうな、雷撃の如き『Z』。
人は年を重ねると化け物(ゼット)になるということを、言いたいのだろうか。
「ロウ、ズィ……」
背後で音がした。建物が崩れる音とは違う。
振り返る。ディックの両膝が床に打ちつけられている。
「どうしたんだ」
急いで駆け寄ると、ディックは小さなパネルを抱えていた。目一杯広げた両手ほどの大きさである。彼の背後には、人の身長ぐらいある透明な円筒があって、その中を無数の生物が泳いでいた。
パネルは楕円に近い形状で、青白い光を放っているが、光は電子機器が発するそれとは根っから違うようだった。
パネルからは管が数本出ていて、円筒の上辺にある穴とつながっている。円筒を満たしている青い水が、管を通してパネルに送り込まれているようだった。
寄ると、円筒の頭頂部に銀色の輪がはめられており、そこにはダイソン・スープという語が彫られている。
「見て、可愛いでしょ」
ディックはそう言って、パネルを私に差し出す。よく見るとパネルの側部からは虫のような小さな手足が無数に生え、蠢いていた。
「とても高度な生物機器だね。きっと甲殻類の背中に、イカが擬態に使うリフレクチンを埋め込んだんだ。こんなに露骨な応用は見たことがないけれど」
ディックがパネルに指を触れると、その場所から波紋が広がった。パネルのどこに触れても、その場所に波紋が広がる。生物を用いて、携帯端末の接触式画面と全く同様の機構を形作っていた。機構がたまたま生物の形をしている、と言うのが正しいのかもしれない。
「この水槽は何なんだ」
「見ての通り、生物を飼っているんだ。ただし、この水槽はその内部だけで世界が完結している。完全環境だよ。静電気と差し込むわずかな陽光だけで、生態系が循環しているんだ」
ガラスの中に閉ざされた時間、閉鎖された世界――これはまるで都市だ。
なんのために?
何のために都市は、人は、歳月を繰り返すのか。遺伝子は無条件に未来を求めるからだと、学校では教えられた。けれどその先に一体何があるというのか。
少なくともこの水槽を見て言えることは、未来に何かを残すという意味において、生命ほど強固な入れ物はない、ということだ。
「それで、このパネルは文書を映し出せるんだろう。どう操作する」
「受容器が付いているんだ、ここを見て」
ディックはパネルを持ち上げ、腹の方を見せた。節のある腹は、昆虫そのもので、気門のような粒が等間隔に並んでいたが、それとは異なる長方形の穴が見て取れた。
「でも、肝心の情報媒体が見当たらない」
パネルはあくまで、映像を写しだすスクリーンに過ぎない。コンテンツとなる情報が必要だった。
私は水槽の中を覗き込んだ。懐かしさを感じ、思い出す。飼っていたウーパールーパーは、今も水槽の中だろうか。それとも警察官たちによって押収され、処分されただろうか。
ディックに聞いたことだが、ウーパールーパーは人間と似ているそうだ。幼児成熟という特徴を有しており、セイジンした人間と同様、経年による外見的変化がない。故に、彼らにも人間と同じ時間が流れている、と政時官は考えたらしい。
それならローイングにかかった私は、これからゆっくりと化け物になっていく私は、彼らと決別して然るべきだ。
私は水槽を凝視した。パネルになる虫が四匹、腹を上向きにして漂っている。その腹の上に、ヒトデのような生き物がのしかかっていて、触手の一本を使って虫の気門周りを掃除しているみたいだった。水面近くでは小さな魚たちが回遊し、彼らが起こした水の流れに乗ってクラゲが舞っている。
「おい待て、あれを見ろ」
私はクラゲを指差した。透明な体を持つクラゲが腹の中に、黒っぽい異物を包み込んでいるのだ
ディックはハッとした顔をした。出してみよう、そう言って石の台座に登って、腕を突っ込んだ。
するとクラゲは自ずから寄ってきて、ディックの腕にまとわりついた。刺されていないか、と私が言うと、棘はないみたいだ、とディックは返した。
クラゲを水槽から出そうと、手のひらに乗せて持ち上げ、大気に触れさせた瞬間に、クラゲはするりと溶けて水と一緒に指の隙間から流れていき、手のひらには黒いチップだけが残った。
エナメル質の入れ物の中に、膜を張った球体があって、中には黄色い液で満たされている。黄色い液は少し淀んでいるような気もするが、肉眼では何ら確証は得られなかった。
「これは、何だろう……自然の物質でできたマイクロチップみたいだ。黄色い液の中には、おそらく大腸菌が飼われているんだ。あのクラゲは大腸菌のキャリアーだよ」
「大腸菌?」
私は思わず訊き返した。
「大腸菌の遺伝子の未使用部分に、塩基の形に変換した情報を詰め込んでいるんだ。バイオストレージだよ」
クラゲは、まるで手に取られることを待っていたかのようだった。この水槽にたどり着いた人間に、チップを手に取らせるために、彼らは何百年の時間を漂っていたのだ。
「はめてみよう」
チップは、パネルの腹に差し込むと、ピタリと合った。
画面が淡い橙に光り、EPSON BS302Bという文字が出、ようこそ、という滑らかなフォントの平仮名が表示された。
虫が、きゅうきゅうと鳴き、手足をかさかさと動かす。
ひらがなの余韻を残したまま、画面が切り替わる。
そこには、次のように記されていた――。
『広域社会学の視点から考察する、〈管理寿命型不■〉発生の諸因子』
因子a:2051年当初、自由交配による人口維持が不可能となる。移民を積極的に取り入れることは一時的な解決にしかならない。
因子b:高齢者の延命化により、健康寿命が相対的に短縮される。〈進んだ尊厳死〉の取り入れる法案が提出されるも、十七回棄却される。
因子c:2066年3月2日、理論科学研究所でヒトの■■に関わる三つのの遺伝子〈AgT1、AgT3、tex078〉が特定される。これらの遺伝子に作用するタンパク質を、トラフサンショウウオのアホロートルから抽出に成功。〈ウーパーLタンパク〉と命名。
因子d:2067年6月30日、理論科学研究所、西龍研究所、CAS、王立研究所など七つの研究機関が同時期に■■を完全に停止させる好気性細菌を開発。〈ヒトを不死にする崇高な目的〉を信奉する科学者によるリークがあった模様。理論科学研究所は細菌をLAW-13と命名。
因子e:2069年1月25日、西龍研究所と提携する朱雀化学が〈不■■薬:ブーローヨウ〉を発売。瞬く間にシェアを獲得するも、効果が出ないというクレームによって販売が打ち止めに。
因子f:2119年2月22日、五十年前にブーローヨウを使用したヤン・リュウ氏が百五十歳になっても存命であることがBBCによって報道され、各国の開発が再開。
因子g:同年8月11日、我が国でも不■薬が発売される。
因子h:2163年9月6日、不死による人口増大が致命的問題となり、〈生存税〉と〈出産税〉を課す。結果、偽造された死亡届と、無戸籍の子供が増加。死亡届が出された現生者〈死に歩き〉が発生。
因子i:2200年3月1日、世界的人口増大を受け、国際団結連合がポーツランド会議において、人の■■に関するガイドラインが制定。我が国は与党の方針から会議には出席せず。
因子j:2206年12月9日、世界各地で●●の■■に対するデモが勃発。●●を支援することを決めた国家は、■■の財産を凍結し、国外追放する〈炙り出し〉政策をとる。
因子k:2222年1月1日、各国で迫害され、海外に逃げ場を求めた■■たちは、不■不死者だけの自治国家〈キープ〉を大西洋上に設立。蓄積された資本力によって軍事力を持つ。
因子l:2223年2月3日、第二次ポーツランド会談を実施する。キープの仮設大総統が何者かに暗殺されたことを受け、キープは国際団結連合加盟国に宣戦布告。全世界の■■の人権を脅かす敵としてネガティブキャンペーンを実施。
因子m:同年4月2日、キープ国人口は人類全体の二割を超える。
因子n:同年7月7日、キープ陣営がミルキィーウェイ作戦実行。国際団結連合加盟国が保有する人工衛星、海底ケーブル、電波基地などの通信網が破壊される。
因子o:同年7月9日、国際団結連合は中距離弾道ミサイルによる、キープ本土に対する核攻撃を実施。
因子p:同年7月10日、キープ領オクラホマ中継基地より、国際団結連合の月面基地へ大気圏ミサイルが発射される。基地内兵器の連鎖爆発を誘発し、月の表面の三十七%が消滅。
因子q:国内の不死化率は六十四%を数えながら、キープに参入する機を持たなかった我が国は戦火を免れる。しかし貿易国が深刻な打撃を受けたため、エネルギーと食糧の自給自足が急務となる。
因子r:理論科学研究所を引き継いだフジメディシンは、REN-13を改良し、宿主の寿命を管理する機能を付与することに成功する。
因子s:トータルネットワークによる国民投票が行われ、〈人間のもっとも望ましい寿命〉は八十年と定められる。
因子t:LAW-14:DisActivaterの試験的散布を開始。自己免疫によるLAW-14:D.A.の克服率は、『とても低い』という安全性が認められる。
因子u:2230年9月11日、非常事態法九条により国家が解体、都市主権制が開始される。
因子v:2235年10月1日、臨時連邦都市議会は、寿命管理に反発する集団に対する救済措置として、元自衛隊空母・暁の九九九年間の貸借を決定。
因子w:2235年12月25日、暁が横須賀港を出港。
因子x:2250年元旦、本土におけるLAW-14:D.A.の感染率が九十九%に達したことを、公共調査団が発表。
時折黒く塗られたところがあるこの文書を、私たちは食い入るように見つめる。
「そういうことか……」
ディックがこぼした。彼が持つ画面は、震えている。その震えはどんどん大きくなっていく。
「僕が時計粒体だと思っていたものは、体外から侵入した異物だったんだ。くそ。僕は間違ってた……」
私はディックの肩を支えた。私自身動揺していて、しゃがんで重心を低く据えている彼と接したかったのかもしれない。あるいは数百年ぶりに目醒めた真実に、彼ほど理解が及んでいなかったからかもしれない。
「ディック、話してくれ」
「僕は、時計粒体は進化の過程で獲得したもので、ローイングは時計粒体の効力を失わせる、突然変異だと思っていた」
理論科学研究所という古の組織が、LAW -13を開発した、と書かれていた。八十年の決められた人生は、先人から与えられたものだった。自然とそうなったわけではない。都市に住む人間の体は、どうしようもなく過去に繋がれている。
しかし私は、奇妙な脱力感が全身を包んでいることに気付いた。
「くそっ。けど違った。僕はばかやろうだ」
パネルが床に叩きつけられた。ベキリ、といやな音がして、ヒビの入った画面から白く透明な液が流れ出し、青い血とまざりあって薄いブルーの水たまり作った。
そしてディックは、目を鋭く刃のように尖らせると、なんでわからないんだよ見ろよ! そう怒鳴って、割れた画面を指さす。
「逆だったんだ」
ディックの轟くような声が空間を支配した。
「僕が異常で、君が正常だったんだ!」
人間はもともと、〈年齢とともに外見が変わっていく〉生き物だった。都市の人々は、それを抑制し、かつ八十年ちょうどで死ぬ細菌を体の中に仕込まれた。けれど私は、自ずからその鎖を断ち切った。そして、規律から外れた存在になったから、追い出された。この国は、人の命にまで関与する重大な規律を設けることで、滅亡を免れた。
皮肉で塗りつぶされた世界だ。
けれどその中で、私たちは生かされた。
「僕は一生、君のようにはなれない……嗚呼、なんてことだ」
ディックが立ち上がる。私は虫を拾い上げる。そして優しく腕に中に抱いて、画面をもう一度眺めた。ディックが視界から消える。
自己免疫によるLAW-14:D.A.の克服率は、『とても低い』という安全性が認められる。という一節を注視する。
私は発症したのではない。
治ったのだ。
世界が混乱と破滅を迎える中で、この〈国〉が生き延びるために作り上げた呪い。私も、そしておそらく母も、『とても低い』確率を超えて、自力でその呪いを解いたのだ。
けれどなぜ〈年齢とともに外見が変わっていく〉のか。なぜ人間にそんな機能が備わっていたのか、わからない。
「なあ、ディック。お前はどう――」
パネルを置いて、立ち上がって彼を探した。
彼は、光の中にいた。
断崖に座り込み、足を宙に投げ出している。
「ケン、僕はわざわざ窓にまたがる勇気はないよ」
「何をしている!」
ディックは丸まった背中と俯く後頭部だけを見せている。
「足を投げ出していると、自由になった気持ちになるね」
「崩れるかもしれないんだぞ。危ないからこっちに来い」
「君にはわからないよ」
言葉の断裂が、ディックの方へにじり寄ろうとする私の足に釘を打った。今近づけば、そのまま二人とも落ちかねない。
「僕はね、君のようになりたかった。ローイングの原病株か何かが、あると思っていた。だからここへ来たかったんだ。けれどそのパネル以外に、何もなかった。ワクチンも、ウイルスも」
「俺は醜い。だからそんなこと思う必要はない」
「時間を体に刻みたかったんだ」
ガラスの中の時計、それが人間。
ガラスを割ることはできない。だからせめて、内なる時計の音を聴きたい――。
「それ以外に、もうこの世界で生きていると知るすべがない」
「そんなはずない。誰かを身勝手なほど愛し、自分の幸せのために躊躇なく利用し、そしてこの上なく美しく呼吸する。生に貪欲な人々を私は何人も見てきた」
「それこそ、空虚さを紛らわすデモンストレーションじゃないか」
ディックは片膝を立て、体をひねった。
その目つきは、深い諦めを宿していた。
「僕たちの脳は変わったんだよ。循環する世界に慣れてしまった。三百年前の記録と比べて、大脳辺縁系が萎縮しているんだ」
こめかみを指差したディックは、いつも通りに笑った。
見慣れた表情だ。
けれど今やその表情には違和感が宿る。彼は機械人形のように、表情筋を理性の力で操っているのだ。
「心が失われている」
笑ってなどいなかった。朗らかであることも、明るくあることも、彼にとっては同一の虚しい行いだったのだ。
空っぽの容器にラベルを貼るように、人生を繕い続ける。
必定なき八十年。
距離にして大股十五歩。それが私と彼をつなく世界の広さだった。
私は治療薬を探しにここへ来た。あのチップの中の文書は、私にとっても紛れもなく最後の希望だったのだ。
それが、私の方が正常だと言われる羽目になった。
そして彼を正常に戻す方法は、もはや永遠に失われてしまった。
私に何ができる。人の死だけを見てきた私に。それも、自身を境界線と決めて、極力干渉をしてこなかった。
私には何もない。
「ディック、こっちを見ろ」
果たして本当にそうか。私が見てきたものは死だけか。
死はその背後に生を映す。私は死を通して、生さえ見続けてきた。エツコ・ヤエの行為は、他者に影響を及ぼす危ういものだった。だけど他者に影響を及ぼすことこそが生の本質だ。何ら間違ったことじゃなかったのだ。
「今からそっちへ行く」
「来るな」
「お前も立ち上がって、こっちへ寄るんだ」
「君は君の人生を歩めばいい。きっとホームにも馴染める」
今、私たちの距離感に、前例が重くのしかかる。水槽の中に保存された真実は、人を自死足らしめるのに十分な凶器だ。
窓から飛んだ男は、独りきりだった。
『治らない』ことへの絶望の中、最後まで独りきりだった。
きっと大丈夫、ここには二人いる。
私は距離を測ることをやめた。時間がチ、チ、チと歩く。足を一歩踏み出すと、時間も同時に走り出す。私の中の時間が、今、ガラスを割って溢れ出す。
「もう、いいんだ」
ディックが勢いよく立ち上がった。そして背を見せた。
人一人の体重が、劣化しきった建築物の断裂した床に、とどめを刺した。次の瞬間に、彼の周囲一メートル程の足場が砕け、彼の体は虚空に沈んでいこうとする。
私の足は床を蹴る。それが自分の命を縮める行為だとわかっている。それでも行く。上半身がどこか突っ張るから、ジャケットを脱ぎ去って片手で掴む。足は懸命に距離を縮める。
しかし届かない。
私は断崖に滑り込んだ。片手だけが投げ出され、その手に強い衝撃が加わる。
ほんのわずかな差だった。ディックの体は紅の空に沈みきり、彼の生は跡形もなく消滅してしまった――もしここに、希望を持つものが独りだったとしたら。
片手に加わった荷重が、私の腕を空へと引きずり込もうとする。私の手に巻かれたジャケットの片腕が、千切れんばかりに伸びきっている。その先には、
「どうして……」
ジャケットの逆の腕を、己が腕に絡めた男が独りぶら下がっている。
上向くその表情には、困惑と憎しみの裏に、安堵が滲んでいる。
「お前がいないとホームでの立場が無い」
そう言って、思い切り引き上げる。
その時、ポケットから何か銀色の光るものが飛び出し、そして緑が支配する〈ゴミ捨て場〉へと落ちていった。
あれは――ただの時計。私の人生ではない。
引き上げることに体力のほとんどを割いた私は、断崖を離れ安全そうな位置まで後ずさると、床に寝転んで荒い呼吸を正した。
同じく、よじ登るために精神力のほとんどを割いた彼もまた、同じように寝てゼエゼエと咳まじりの息をした。
二人して倒れ、視線は南側の壁に向けられる。
「lowZing」
ディックがそれらの文字を発音した。文字は、彼の先祖の言葉に近かった。
ロウ……ジン……。
その響きは、長く耳に残った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます