いかにして"私"が壊れたか

リジン

序文

2018年2月、その頃の私の暮らしぶりというものは

仕事で訪れて定住した地方都市の郊外に佇む値段相応の隙間風が寒いアパートで、得体のしれない具合の悪さに朝6時には叩き起こされ

寝床であるロフトから後に派手に壊れることになるのいかにも使い古された木製のはしごを降りソファに座る。

そしてここ数年で会った職場の人間の愚痴を自分以外誰も居ない部屋で大声で喚く、ということから始まるのであった。


正体のつかめない具合の悪さに突き動かされるように嫌いだった人への文句・非難・怨嗟の言葉がとめどなく吐き出され、時間が進むごとにどんどん強くなる苦しみに反して不思議なことに何故か気分は激昂し、その一人スピーチはヒートアップしていく。

そして具合の悪さが頂点に達すると同時に強い吐き気が訪れ、そこで少しスッとするもまたすぐに具合の悪さが立ち上ってくる。

日によっては運がよければ昼あたりに、そうでなくても昼過ぎや夕方に、少なくとも夜には何がきっかけかは分からないがスッと体調が良くなるので、なんとか一人暮らしが成立しているという日々なのであった。


流石にこの繰り返しの日々に自分のカラダに何が起きている事の原因は?ということを考えないわけではなかったが、明確な症状といえば吐き気と、起きた瞬間からあるクビ肩への強い違和感と具合が悪いとしか言えない状態だけで

まず神経を疑いMRIを受けたが結果は問題なし。

数年前から始まった肩こりのせいだと当たりをつけて整形外科に通ってはいたが、検査の結果は確かに炎症があり肩こりは感じるだろう。ストレートネックでもあり、肩こりが起きやすい骨格だという診断だったが、吐き気が起こるほどと伝えると医師はクビを捻るのだった。

また丸々1日具合が悪いというわけでもなく、むしろ症状が収まると途端に楽になるがまた不思議でもあった。


そしてこういった体の不調は今に始まった事でなく、仕事をしていた頃から徐々に進行しており、しかしその症状をうまく伝えられず、もうダメだという状態になってしまい、そしてその状態をうまく会社に説明できなかったため喧嘩別れ同然に仕事を辞めてしまっていたのだった。


体なのか神経なのか精神なのか、どれの問題なのかは分からないがこうなってしまった原因の始まりはこの頃から2年と少し前なのであった。

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