第2話 こんなせかいです

この世界には『異能』やら何やらと呼ばれる能力がある。


生まれついて持つものであり、原則的に一人に一つのみ。持つものもいれば持たないものもいる。だが、大抵の人間は持っているとのこと。


その能力は、主に概念によって名をつけられていた。

『強化』や『切断』、『念動力』など。


元の世界の創作物に出てくるような強力なものもあれば、役立たずなものもある。

『異能』の強さは等しい訳ではないが、鍛えれば強くなる。限度があるのかは知らないけど。


世界は戦争で荒廃し、異能を持つものが犯罪を起こすようになった。

某ヒーローアニメかよ。私は能力的に主人公ではなさそうだけどね。


さて、私はこの世界に来てまだ三日目である。というか、こんなイカれた世界で三日も生き残ったのだ。崇め讃えよ。


…こほん。冗談はここまでにして。

『異能』は、持っているものは生まれながらにしてそれを知覚出来る。


私はそれを身を持って体感した。

私の身に宿った『異能』は、『回復』。


非常に実用性が高く、大概の怪我なら治すことができる。おそらく!

能力の限界は知らない。

…まあ使うたびにかなり疲れ、痛みを追体験するというこのイカれた世界にふさわしいイカれた能力ではあるけれど。


これで使い放題ならどれだけ良かったことか、クソッタレ。

もし神がいるなら文句を言ってやりたい。私は痛みには強いが限界はある!

せめて痛みだけでも無くしてくれよ!


とまあ、今日は疲れたのでここまで。

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