第2話 被害者の家族関係と謎の組織(2日目)

 ふと気づいてパソコンの画面を見ると3時を回っていた。中谷は仮眠をとっていたが、目覚めたのは2時だった。机が硬すぎたのかもしれない。しかし、こんな時間にもかかわらず同僚や先輩は絶えず動き回っていた。


 中谷は被害者の関係性を調べることにした。被害者の自宅の周りの人に話を聞いて、怪しい人物がいなかったかどうかを洗い出そうと考えた。


 まずは、被害者の家の隣に住む老夫に話を聞いてみる。


「有村さん夫婦と喧嘩している人を見た、または仲が悪そうな人など思い当たることはありますか?」


「どうだったかなぁ、有村さんはとてもいい人で人付き合いも良かったからねぇ。あ!1人いましたよ。玄関でね、なんか言い合ってて、有村さんその後なんか1週間ぐらいとっても不機嫌で少し困ったんだよね。」


「その方が誰かはわかりますか?」


「それは分からないけど…」


「貴重な話をありがとうございます。」


「いえいえ、そういえば同じような話を昨日刑事さんにお話ししたんだけど何かまだ足りなかったんですか?」


「『刑事』ですか?」ここの聞き込みを担当しているのは中谷の班だけなので、自分以外に聞き込みを実施している刑事はいないためその『刑事』は偽物なのではないか、と中谷は考えた。


「ありがとうございました。」中谷は聞き込みを終えてメモに

・怪しい男が有村夫婦と言い合っていた

・『刑事』を名乗る男が周辺に聞き込み調査をしていた。


 また、有村夫婦の子供は戸籍を見れば確認することができた。

 有村慎一(24歳) 22歳の時に傷害事件を起こしており、現在釈放中で今は兵庫県宍粟市のアパートに住んでいる。

 有村慎一が起こした傷害事件の相手は、加藤泰樹(31歳) 現在大麻取締法違反の疑いで逮捕されており、こちらも現在釈放中だということがわかった。そして加藤が現在住んでいる場所は広島県東広島市だということがわかった。

 また、加藤の大麻の入手経路がわかっておらず「不明」と書かれていた。


 中谷は有村慎一が住んでいる宍粟市のアパートに行って事情聴取をしようかと思ったが、今はもう夕方で今から行っても倉敷からだとJRで岡山まで行って新幹線に乗り換えて姫路まで行きバスで宍粟市まで行くので合計2時間と少しかかるので明日の朝に出発することにして今日は早めに寝ることにした。なぜなら、事件での疲れは数時間の睡眠では取れないくらい溜まってしまうが、できるだけ取っておこうと思ったからだ。

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