カクヨムで見つけたすごい小説!

@sironeconeco

ー 「僕」と「孤独」の境界線 ー 紫月冴星(しづきさら)さん


https://kakuyomu.jp/works/16816452220158744153


 見つかるべき人に見つかれば大バズリしそうな作品です。


 私は、読書が趣味(ドストエフスキーとか太宰とか漱石とか、一通り有名どころは読みました。現代では好きな作家は伊坂幸太郎さんです)なのですが、今までに読んだことのないタイプの小説です。


 紫月さんの作品は、学術概念を感情描写へと昇華する文体が秀逸です。多くの場合、学術的な概念をストーリーに埋め込む場合、「学術」か「物語重視」のどちらかに偏ります。例えば、ひたすら学術的な内容の会話が続くだけで完結したり、或いは、途中から普通の小説のようになって「学術はどこにいった?」みたいな感じで終わったり。


 紫月さんの作品は、学術的な内容と小説としてのストーリーとがみごとに融合されています。


 あるときには学術的な概念が、登場人物達が彼ら自身の会話の中で気づき・成長するきっかけとなる要素となり、また、あるときには日常の何気ない疑問や気付きから学術的な会話が展開されていきます。


さて、紫月さんの小説で登場するのは社会学です。


えっ!? 


"最近の社会学ってなにやってるかわからん" 

"社会学者ってネットで炎上してるよね" 


と思ったそこのあなた。本来の社会学の役割、あるべき姿、学問としての意義、そして、それに出会った若者たちの成長。すべてが一つの作品の中に完璧に融合し、調和しています。


ぜひ、ご一読ください。

 

作中では、社会学という理論的な視点が、登場人物たちの苦しみに説明をあたえる、あるいは、登場人物たちの視点をより多角的な位置へともちあげる役割をはたし、物語を重厚にしています。


これまでにない、まったく新しいジャンルの小説です。


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