分からなかったんだもん。

子律

…分からなかったんだもん。

残酷で汚い大人たちへ


私も多分14歳で大人になったんだ

だけれど子供の傷を見ても

怒って毒をかけちゃいけないよ


正解を知らない綺麗だった子に

涙の薬を与えてあげて

きっと居場所が出来れば癒える

だからそっと包み込んで弾かないであげてね


その傷が痛むのは

産んだ時でも湯船に浸かった時でもない

大人になって私たちに並んで歩み出す時

初めて傷跡の痛みを知るの


誰にも理解されない


寄り添ったつもりで傷つけられたり

傷つけるつもりなく弾かれたりして

傷は心の中でどんどん深く刻まれて

一生剥がせない絆創膏を握りしめて生きるの


私だってこんな傷跡作りたかったんじゃないよ

でも幼く子供で綺麗だった私には

他の人に頼る方法も居場所もなかったの


唯一の味方だったはずの自分すら

醜くて疎ましくてね

ストレスや殺意

ぶつけるのは全て自分の左腕


ショックを受けるよ

自分の子供が自らに刃を当てるなんて

でも受け止めてあげなきゃ

増えるし深まるしいい事ないんだ


だからお願いだよ

大人が知ってる世界を

少しでも遅くに教えてあげて


子供は子供らしくって

14歳で大人になった私はいつも願ってるよ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

分からなかったんだもん。 子律 @kor_itu-o

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画