第8話 新階層

 まずはカースウェポンを試してみるかと思い。剣を手に取る。その瞬間にこの剣の扱い方と言うモノが脳内にインストールされる。やっぱりこの感覚な何度やっても慣れないモノだ。


「それじゃあ…行くか」


 俺は片手剣を握り…その身体能力に任せて頭上から剣を振り下ろす。ただそれだけだった。それだけでゾンビは直ぐに死に絶えた。


「えっ…真っ二つ?これで?嘘でしょ?」


《条件を達成しました。新たに称号〈魔剣使い〉を習得しました》

《SPを5取得しました》


 ついでに何か新しい称号も習得した見たいだし…この調子で神剣の方も試し見てみるか。そう思い手に取った瞬間だった。熱い…ただそれだけだった。手が焼けるように熱くなり剣を握る事を早々に諦めた。


「恐らくは劣神力…このスキルだな。このスキルがある限りこの剣は扱えないという訳か…いや…待てよ?確かあったよな。神力に対して耐性を得るとな何とか…」


 そうして見つけたのは前に習得可能になっていたが、その時には無視した劣神骨体だった。もしかしたらこれを習得すれば剣を扱えるかもしれない。


《新しく種族系スキル〈劣神骨体Lv1〉を習得しました》

《残りSPは41です》


 新たなスキルを発動させつつも神剣を握る。それは、先ほどよりかはマシになったという程度だった。だが、その違いが大きかった。さき程までとは違い。この程度のダメージならば無視できる。


 目に付いたゾンビを相手に剣を振り下ろす。さっきまでの剛力に任せた攻撃とは違いこれはただ当てるだけだった。それだけでゾンビは苦しみぬいて死んでいった。


《条件を達成しました。新たに称号〈神剣使い〉を習得しました》

《SPを5取得しました》


「これ…アンデットに対しては無類の強さを得るな。と言うかこれって過剰火力じゃね?」


 まぁ…有って困るもんでも無いし。取り合えずこのままインベントリに収納しておくか。いつか使うかも知れないし。…いや…この最レベルアップも兼ねてこの墓場を自由に散策させるってのも面白そうだな。


「取り合えずお前らはこの迷宮のゾンビやスケルトンを相手に戦っておけ。」


 そう命令すると直ぐに両方の剣は飛んでいった。それと同時にインベントリには素材がたんまりと入ってくる。


「これは予想していなかったな。そうか…従魔が魔物を倒すとその素材は主のインベントリに収納されるのか…面倒くさいな。」


 従魔もインベントリを使えたらいいのに…と言う事で…何とかなりませんかね?解析さん。


 名前 インベントリ

 品質 ?

 説明 異世界人が活用する空間収納に似た大魔術システムであり、空間魔術が用いられている

 効果 アイテムの収納


 ほぇ?…空間魔術?そんな魔術は取得欄に無いぞ…って事は未知の魔術か…まぁ暫くはこのままで良いか。別に支障は無いしな。それよりもあっちの方が問題だよなぁ。


「チュートリアル…本当にどうしよう。マジで詰んだが?神殿に行かないと受けられ無い見たいだし…と言うか今の姿で行けるの?我スケルトンぞ」


 と言うか神殿に近づくだけでもダメージを受ける予感…そう考えると神聖脆弱の方もどげんかせんといかん。


「取りあえずはあの剣たちの成長を信じて、俺自身も勉強に励みますかね。」


《スキル〈水魔術Lv1〉が習得可能です。習得しますか?》

《スキル〈風魔術Lv1〉が習得可能です。習得しますか?》

《スキル〈闇魔術Lv1〉が習得可能です。習得しますか?》

《スキル〈死霊魔術Lv1〉が習得可能です。習得しますか?》


 一応スキルは習得可能になったけど…前の剛腕でSPかなり消費したからな。取り合えず今は放置しておくか。と言うか火魔術と光魔術に関してはとっかかりも無しか。


「まぁ…使えないは使えないでそれで良いか。でも、魔術が使えるようになったら試してみるのも手だな」


 俺は壁に背を向けつつ本を見ていく。そうして壁に体重をやった時にそれは起こった。何と壁が回転したのだ。それにより体重の制御が上手くいかずに倒れてしまった。


「イテテ…何なんだ?この壁は。と言うかこの迷宮ってまだ階層あったの?」


 新たに開通した場所を恐る恐る探索していくと、今までよりも若干だが魔力量が多そうなゾンビが立ちふさがっていた。ゾンビを認識した瞬間に神剣を取り出し剣を構える。


「剣同士の戦いは初めてだな。〈解析〉」


 名前 

 種族 ゾンビ・ソルジャー

 種族スキル

 不死体Lv5.腐敗Lv4.ソルジャーLv2

 汎用スキル

 暗視Lv10.観察Lv3

 戦闘スキル

 体術Lv5.格闘Lv4.剣術Lv3.咬牙Lv5.劣再生Lv6.回避Lv3.咆哮Lv2

 強化スキル

 視覚強化Lv2.腕力強化Lv2

 魔力スキル

 魔力感知Lv3.魔力操作Lv2

 耐性スキル

 状態異常無効.闇耐性Lv1.打撃耐性Lv1.光脆弱Lv10.火炎脆弱Lv10.回復脆弱Lv10.神聖脆弱Lv10

 SP 10


 相手のゾンビが俺を認識した途端に、剣を振り上げ走ってくるのが分かる。それを見て直ぐに神剣の構えを解きバックステップで避ける。振り下ろされた剣を足で抑えてそのまま腕を斬りつける。


《スキル〈回避Lv7〉が〈回避Lv8〉に上昇しました》


「グアアァ~」

「なに」


 剣を振り下ろそうとした途端にゾンビの咆哮が俺に直撃する。それによって聴覚をヤラレテしまい集中が途切れてしまった。それによってゾンビの抵抗を許す事となった。


 ゾンビが剣を振り上げると同時に、俺の胴体を切りつける。幸いにして回避が間に合った結果、致命傷は避けれたが、一瞬の油断が命取りになると確認させられた。


 横薙ぎの一撃が…俺へと到達せんとしていた。それを神剣で受け止めて魔術の構築を急ぐ。こんな状況じゃ剣だけと拘っている暇も無いからだ。


「〈岩弾〉」


 胸に岩弾を射出する。それによりよろけた隙を突きゾンビの右腕を切り落とす。それによってゾンビを襲った浄化ダメージによりゾンビはそのまま死に絶えた。


《スキル〈剣術Lv1〉が〈剣術Lv2〉に上昇しました》



 ————————

 あとがき

 皆さまここまで読んでくださって、ありがとうございます。

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