「めくられなかった時間」が語り出す。

理髪店で、目に入った日めくりカレンダー。

飾り気のない紙に残る繊細さ、店主に見えるおおらかな雰囲気との比較。
昨日ではない。九年前の昨日。

背景に、たちまち十年近く、そのままにしてある店主の気持ちが広がります。

短いけれど、読後に小さな余韻を残す、美しい掌編でした。
この一瞬の感覚を味わえるのは、作者さまの観察眼と呼吸のリズムがあるからこそだと思いました。
素敵なお話を、ありがとうございます。

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