微睡み銀河の案内図

夢ノ命マキヤ

星粒螺旋(ほしつぶらせん)とナギノワ号


きょう 銀河南第五区の 凪の環から

ナギノワ号が出航したよ

船体は水晶と朝霧でできていて

エンジンは呼吸 つまり君の心臓が動力なんだ


乗組員は 風の博士と

螺旋式あかつき電池を持ったネコと

ほとんど笑ってる植物たち


進路は 時間のうしろ側――

記憶の奥でまだ咲いていない

気持ちの芽をさがしにいくんだって


とちゅう、跳ねる光がやってきた

「ナンニモナイってことは、

  ナンデモアルってことだよ!」

そう言って ネコのしっぽに飛び乗っていった


風はまわる 夢はのびる

凪はとけて らせんが光る

そしていつか君も 

その船に気づくときがくる


ほんとうのことは

ときどき とても小さくて

まるで星の粒くらいなんだ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る