絞り出すように

喉の奥から、体の芯から、絞り出した物語なのだと感じます。

日々感じている不服、こうなればいいのになという理想、それでもこの世界の中で生きていく。そういう気持ちで心を満杯にしてから、でっかい搾り機で一滴残らず絞りとった感じの物語です。

だけどそんなん普通は血生臭くて飲めないです。自分だけで貫く物語っておもしろいけど読み辛かったり破綻してたりするじゃないですか?ちゃんと人が飲むものとして書かれています。良質な素材を用意してしっかりと誰かに届くように書かれています。

圧倒的に自分らしく、だからこそ丁寧に。世界は思い通りにならないけど、自分だけはコントロールできますからね。言語芸術的な文学ってこうするんだ!っていうことを感覚的に理解できる物語です。

おすすめです。