万物は幸せに満ちて




どれだけの時が経過しただろう、俺以外の人間は、俺が認知しうる全次元、全宇宙の全存在は幸福で固定されており、宇宙は幸福で満ちている。


視点が地球外生命体に向いた時ごくわずかに新たな可能性が見えたが、結局全ては同じことの繰り返しに過ぎなかった。全ては幸福に飲み込まれていく。


魔神が神だったのか、俺が神だったのか、この宇宙は何だったのか、もう考える事すらおっくうになってきた。全ては幸福であり、幸福こそが世の終着点なのだ。



そんなある日、魔神が現われ久々に「意味のある言葉」で俺に問うてきた。


魔神「宇宙が一巡りするときが来た」


魔神「次の宇宙でも同じように地球ができ、同じように世界ができる」


魔神「無論、お前の望みは継続する、無限に宇宙の終焉と開闢を過ごせる」



だから俺は望んだ。



俺「望みがある、これを最後にすることはできないが、最後になるはずだ」


俺「全て忘れさせて、次の宇宙では全てを元通りにしてくれ」


俺「同じ過ちを繰り返さぬよう、この話を文書化して封印してくれ」


魔神「分かった」



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