グラビティ・ドッグファイト2200─無重力空間に挑むパイロットたちの成長譚─
河内 謙吾
プロローグ
西暦二二〇〇年──。
時代は進化を続け、地上を走る車は姿を消し、空を舞うようになった。空中には標識が浮かび、整備された“空路”が人々の生活を支えている。
畜産や農業の現場ではAIが当たり前のように稼働し、天候や病気に左右されない生産方法が確立されたことで、食料供給は安定した。
デジタル技術も飛躍的に発展し、かつての液晶テレビは骨董品として物好きに愛される時代となった。今や映像は立体的に浮かび上がり、家庭でも劇場でも“そこにある”かのように再現される。
田舎に行けば、古きを愛する者たちが二一〇〇年代後半のハイブリッド車を乗り回している。もっともこの時代でいうハイブリッド車とは、陸と空を自在に行き来できる陸空両用自動車のことだ。
変わり続けるものと、変わらぬもの。どの時代にも、それは存在する。
──そして、戦争も。
「二二〇〇年の戦争」と聞いて、あなたはどんな光景を想像するだろうか。
地球上での戦争は、すでに遠い昔のものとなった。人々は平和な世界を享受している。
だが、その裏で──秘密裏に、確かに新たな戦いは始まっていた。
侵略者は、遥か彼方の宇宙からやってくる。
その時代が、もう目の前まで迫っている。
これは未来の戦争の物語。
一人の男が、そのすべてをかけて地球の未来を守り抜く物語である。
プロローグ 了
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