絵に溺れて
平松たいし
1
ある日、私は恋に落ちた。それは、アイドルのような可愛らしい男性でもなく、俳優のようなクールなイケメンでもない。私は、『たった一枚の絵』に恋に落ちたのだ。そしてそれが私にとっての『初恋』の相手だった。
これまで私は、『他人』というものに全くと言っていいほどに興味が無かった。それは別に今でもそれほど変わっていない。昔からよく親に、『あの子って今どうしてるの?』とか『あの子って今、〇〇なんでしょ?』とかいったような質問をされることがあった。しかし私は、他人のことなど興味が無かったので、他人の情報が耳に入って来ることなど、もちろん無かった。なのでいつも、『さあ』とか『知らない』とかそんな曖昧な返答をしていた。するとその言葉を聞いた途端、親は急に不機嫌そうな顔でこちらを見つめ『まただ』とか『もっと他人に興味持ちなさいよ』とか言ってくるのだ。そしてその目はどこか、役立たずを蔑むようにも見えた。私はその一連のやり取りが嫌だったので、少し他人というものに興味を持ってみようかと、周りを見渡し色んな人の話に耳を傾けてみたこともあった。皆は、他人の恋愛話やうわさ話、時には悪口なんかをものすごく楽しそうに話している。私もその会話に参加してみたこともあったが、笑顔を浮かべながらもちっとも楽しくは無かった。どうして他人の話だけでそこまで盛り上がれるのか、そこまで大笑いできるのか、私にはやはり全く理解ができなかった。
そんな私は、地元の高校に通っており、成績は中の上、部活もそこそこ、友人も多いとは言えないけど、何人かはいる。特別キラキラしている訳でも、深く沈んでいる訳でもない。あえて言うならば、かなり激し目の反抗期で父のことが大嫌いだ。喋りたくないし、一緒に洗濯したくないし、顔を見るのですら嫌。でも、それくらいで、本当にごく普通の女子高校生だ。そんな私が、ある日、『一枚の絵』に出逢った。
きっかけは校外学習で訪れた街の美術館。その日は、肌寒くありながらも、どこか春の陽気を感じられ、暖かかったようにも思われる。私はそれまで『美術』というものには全く興味がなく、美術館に行けるということ自体は、さほど楽しみでは無かった。どちらかと言うと、いつもの授業が無くなって、校外に出る。そんな特別感が少し嬉しいだけだった。そして、私は『絵画』なんて物の価値が全く分からなかった。昔の人の絵を見ると、『別にこんなぐちゃぐちゃっとした絵、私にも描けそうじゃん。こんな絵が何十億も価値があるなんて、馬鹿らしい話。いっそう私も目を瞑って適当に描いて出品してみようか。』そう思うような人だった。別に今でも全く思わなくなったかというと、そう言う訳でもない。今でも、理解できない美術作品はたくさんあるし、これからもそんな作品に出会う気がする。でも、この絵に出逢って、私の考えは少しばかり変わったのだ。変わったような気がする。しかし、その絵は別にその美術館に展示してあった訳ではない。それどころかその絵があったのは、その美術館の入り口にある掲示板のガラス戸の中。そう、イベント告知のポスターの中にあったのだ。その絵を見た瞬間、私はこれまでにないような感情を抱いた。なんだろう、まるで雷に撃たれたような、時間が止まったような。この感覚を皆は『心を奪われた』というのだろうか。とにかくそんな強い衝撃だったのだ。自分でもなぜだか分からない。その作品のどこに惹かれたのかもはっきりとは分からない。でもなんだか好き。そんな感覚だった。おそらく、恋愛と同じ感じである。一目見ただけで、なぜだか分からないけど好き。胸の奥底から溢れ滾る熱い気持ち。そんな感覚だった。私はそのポスターに書いてある作者の名前、開催日時、場所を密かにメモして、今にも爆発してしまいそうな感情を必死に堪え、何事もないように装いながらそのまま美術館に入った。
中に入ると、それはもうたくさんの美術作品が展示されていた。絵画から彫刻まで。陶芸なんかも展示してあった。あの絵の影響なのか、私は主に絵画に注目しながら、美術館をぐるっと一周見学することにした。中には、まるで写真のような繊細な絵や、自分よりも遥かに大きな紙に描かれた絵もあり、その絵にはやはり流石と言えるほどの威圧感があった。でも、それだけだった。あの絵......あのポスターの絵を見た時のような衝撃と感動。まるで心を取り込まれるような感情になるような作品は、やはり一つも無かった。しかし、私は別にそれで良かった。なぜならもう『心を惹かれた絵画』に出逢ってしまったから。別にそれ以上は求めていなかった。
そしてそのまま、校外学習は終わり、私はこの気持ちの昂りを悟られないように、冷静な素ぶりで『用事がある』なんて適当な嘘を友人について、そのまま走って家に帰った。『早くあの絵を見たい。あの絵について知りたい。作者は誰?いつ描かれた絵?その人の他の作品は?』そんなことで頭がいっぱいになりながら帰った。まるで、恋に落ちた女の子。廊下ですれ違った子に一目惚れした女の子のようだった。と言うか実際そうだった。恋に落ちた対象が、人か絵かだけの違いだけであって、別にそれ以上でもそれ以下でもなかった。
そして、汗だくになりながら家に着いた。おおよそ、雲には夕日が当たり、赤と青の美しいグラデーションの空に包まれた時間だった。こんなに走ったのはいつぶりだろうか。こんなにも息が切れたのは久しぶりだった。玄関の扉を開けると、いつものように『おかえり』という父の声が聞こえてくる。私はそれを華麗に無視して階段を駆け上がり、自分の部屋へと行った。急いでパソコンを立ち上げ、密かにメモした作者名を検索した。この、検索結果が表示されるまでの短い時間、私の手は自然と握り拳が作られており、その中には多少の汗が握られていた。はっきりと音が聞こえるほどの鼓動、今までに無いときめきと緊張を感じられた。まるで、好きな人からの返信を待つ時間。そんな経験は今までに無いが、おそらくそんな感覚だった。そして検索結果が表示され、私はその数あるサイトを一心不乱に片っ端から読み尽くした。どうやら、その作者は正体を明かしておらず、顔も不明、本名も不明。日本人の男性という情報だけしか分からなかったのだ。しかし、そんな微かな情報でも、私は舞い上がった。少しだけでもその絵、その作者について知った。それだけですごく嬉しかった。私は、周りの人よりもこの人に詳しい。そんな優越感があった。その時おそらく私の顔には、にんまりとした気味の悪い表情が浮かんでいたように思う。
私は、その人の他の作品も少し覗いてみることにした。そうして、色々な作品を見ていくうちに、ますます虜になっていったのだ。今まではなんとも思わなかったもしれないような絵ですらも、魅力的に見えた。気付けば窓の外は月が上がり、すっかり夜になっていた。おそらく二時間程、私は夢中になって我を忘れたようにその人について調べていたのである。それでもまだ、この昂った感情は燃え尽きてはいなかった。しかし、そんな姿を親に見られるのも恥ずかしいので、頭の中にある絵を一度真っ黒に塗りつぶし、制服から部屋着へと着替え、深呼吸を五回ほどしてから、いかにも冷静であるかのように装って階段を下り、リビングへ向かった。
夕食の時間、私はこの時間が一日で一番嫌いだ。あの嫌いな父親の気味の悪い顔を見ながらご飯を食べなければいけない。これは何かの拷問だろうか。顔を見ただけで食欲が失せる。父親が口にご飯を運ぶその動作。それを見ただけで吐き気がした。こんな状態では食べられるものも食べられない。なので、私はいつも特に面白くもないようなテレビを見ながら、食事を済ませていた。昔はこんなに嫌いじゃ無かったのに。公園に遊びに行ったこともあるし、一緒に寝たことだってあるはず。しかし、今はなぜか嫌いなのだ。その存在自体が受け付けないのだ。原因なんて無い。それが反抗期というものだと思う。
でも今日は少し違った。今の私のこの燃えるような熱い感情。この胸の高鳴りは、父親のようなちっぽけな存在ではまるで勝てない、そんな大きな感情だった。ついさっき黒く塗りつぶしたはずなのに、その絵は眩い光を放ちその黒を跡形もない程に消し去っていた。もし父親の席にあの絵を置いたなら。それはもう無限にご飯を食べられる気がする。でも太ってしまうのでそんなことはしない。『ああ、父親もあの作者のような美しい人であったならな......』作者の顔が分からないにもかかわらず、そんなことを考えながら私は気付けば夕食を食べ終えた。
その後も、お風呂に入りながら、課題をしながら、布団に入ってからもまるで、あの絵がずっと頭から離れなかった。心臓は過労死する程に常に激しく動き続けていた。
朝日が昇り、鳥の囀りがうっすらと聞こえる時。いつものように身支度を済ませ、朝食を終え、『いってらっしゃい』という母の声に『いってきます』と返し、学校へと向かった。途中の交差点で友人と合流し、そこからしばらくは雑談をしながら歩いた。私は他人には興味が無いといいながらも、友人は少しばかりいた。しかし、この友人達もまた、陽キャと言われるようなグループには馴染まず、私たちにしか伝わらないようなそんなしょうもないこと、いわゆる身内ネタというもので笑える、そんな友人だった。だから、私はなんだか居心地が良かったし、一緒にいると楽しかった。しかし、最近は違った。今日のテーマはどうやら『恋バナ』だった。少し成長して色気付いたのか、最近はずっと恋バナをしている気がする。私は特に好きな人もいないし、かといって他人の恋愛事情にも興味は無い。だから私は、少し不満を抱えながらもいつもなんとなく聞き流していた。
でも、今は少し違う。今私は絶賛恋をしているのだ。私は生まれて初めて、恋に落ちたのだ。昨日からその気持ちは全く冷めていないどころか、更に増していた。でも、私が絵に恋をしているなど、とても友人には言えなかった。きっと、話したところで『こいつは何を言っているんだ?』、『ついに頭でもおかしくなってしまったか?』そう思われるだろう。でも、それで良かったのだ。私だけが知っている。もし知られてしまうと、友人もその絵に惹かれてしまうかもしれない。だから、これは私だけが知っていればいいのだ。そうすれば、私だけが独り占めできる。なんだかそんな背徳感がたまらなかったのだ。酷いと思うかもしれないが、みんなだってそうでしょう?自分の好きな人が、他の人に取られてしまうかも知れない。そんな恐怖。それと一緒だ。
「ねえ。」
「......。」
「ねえ、茜?」
「......。」
「ねえってば。」
そう言いながら、友人は私の肩を揺らした。
「ああ、ごめんごめん。どうした?」
「茜、大丈夫?なんだかずっとぼーっとしてたけど。」
「ああ、大丈夫大丈夫。ちょっと考え事してただけ。でも、大したことじゃないから。」
私は体の前で、二つの手をゴニョゴニョとさせながら答えた。
「本当に?......まさか、好きな人でもできたの?」
「ちょ、全然そんなのじゃないから!」
核心をつくような言葉に私はつい声が大きくなり、あたふたしながらも必死に冷静を装いながら答えた。
「本当に?」
「もう、本当だってば。」
「なーんだ。残念。」
私はその友人の残念がる表情を見て、全身の力が抜け落ちるような安心感を感じた。
「また何か面白い話し合ったら聞かせてよね。」
なぜ、人の恋愛事情にそこまで興味を持てるのか、やはり私には理解できなかったが、
「そうだね。また、いつかね。」
一応そう返しておいた。
今日はたまたま美術の授業があった。これまでは、先生の呪文のような授業を聞きながら睡魔と闘う、ただ退屈な授業だったが、今の私にとっては少し興味がある内容だった。一通り教科書を最初から最後まで目を通してみた。いつもあまり真面目に授業を受けていなかったので、ページをめくる度に新書特有の紙の匂いが鼻腔をすうっと駆けていった。もちろんあの絵はどこにも掲載されていなかった。少し悲しかったが、それと同時になんだか安心した。もし教科書に載っていたなら、つい見惚れてしまって授業になんて集中できなかっただろう。
そう言えば昨日、私はつい作品や作者について夢中になりすぎて、あのポスターのイベントについて調べるのをすっかり忘れていた。一つの絵を見ただけであれだけの衝撃だったのに、展覧会となればそんな絵がいくつもある。それも四方八方に。その光景はもはや私にとってそれは逆ハーレムと同義なのだ。そうなったらもう私は。ああ、想像しただけで熱が出てしまいそう。口や耳から湯気を吹き、倒れてしまいそう。心なしか、顔が熱くなり少し汗ばんできたような気がした。
美術の授業は、今まではただの呪文のような内容だったが、今ではその呪文にも、なんだか興味を持つことができた。どうやら絵画にも色々な種類があるようで。描き方?なら、油絵やら水彩画やらアクリル画やら。ジャンルでも抽象画やら具象画やら。よく分からないが、とにかく色々な種類があるようだった。私にはとてもさっぱりだ。でもなんだか興味はある。興味だけはあった。今まで絵画は、『どこか有名な人が適当に描いたもの』としか思っていなかったが、どうやら違うようだった。私の知らないだけで、もっともっと奥の深い世界があるらしい。
珍しく、この日の授業は気が付くと終わっていた。いつもなら、あと五分ぐらいのタイミングで、秒針を眺めながら頭の中で好きな歌を歌ったりしながら、時間が少しでも早くすぎるのを待っていた。しかし、今日はそんなことをする必要もなく、気づくとチャイムの音が教室に鳴り響いていた。
私は家に帰ってから、あのイベントについて調べてみた。どうやら校外学習で訪れた美術館で三日間だけ開催されるようだった。土、日、月。月曜日は学校があるので行けないし、土曜日は部活の練習がある。消去法で日曜日しか行く日がなかった。それはもう......行くしかない。行かないなんていう選択肢は無かった。私にとっての初のイベント。もう考えるだけで胸がときめいて仕方なかった。そのとき、私はなぜか妙に気合いが入っていた。おそらくやる気に満ち溢れたような力強い表情を浮かべていたように思う。
それとついでに、その人の作品のスタイルなどについても調べてみることにした。どうやら彼の作品は、『抽象画』と呼ばれるものだった。それは、私が今までに一番理解ができないジャンルだった。初心者なら、綺麗な風景を描いたり、人物をリアルに描いたり。そんな分かりやすい絵画なら、『凄い』とか『上手』という感想を言うことくらいはできた。でも、抽象画というものは、いわゆる『形の無いもの』を描くもの。感情とか概念とか思想とか。そんなものとても理解できなかった。理解しようともしていなかった。上手なのか下手なのかすらもよく分からない。でも今の私にはその良さが少しだけ分かるような気がした。抽象画というのは、そういうことじゃ無い。多分。上手とか下手とか、そんな単純なものでは無いのだ。作者の意図とか、見た人がどんな感情を抱くかとか。言葉では言い表せないもの。きっとそういうことを楽しむのだろう。おそらく。そして、あの絵は私にそれを気付かせてくれたのだ。私が美術という未知の世界に踏み出す第一歩になったのだ。それは周りから見たら、小さな小さな一歩かもしれない。しかし私にとって、人生を左右するとまで言える。そんな一歩だったように感じることができた。勘だ。根拠なんてない。でも、こういったときの勘というのは大体当たっているものだ。
そして、私はその日から彼の作品や彼について調べることをやめた。でも、別に嫌いになったとか、飽きたとか、そういう訳ではない。皆だって、新作映画が公開されたらおそらく内容とか調べずに行くでしょう?それと同じだ。事前の知識無しで、見たままを感じたかったのだ。作品について調べてしまうと、どうしてもその考えが頭の片隅に置かれ、純粋な感想を抱けない。私は初見の衝撃を感じたいのだ。また、あの時のようなときめきを感じたいのだ。そうすると、今以上に好きになれる気がする。そしてこれが、抽象画の本来の楽しみ方な気もするのだ。
でも、やはりしばらくの間、彼の作品に触れないというのは辛いものだった。自分で課したおもりにもかかわらず、寂しいし切なく感じる。気を紛らわすために、意味もなく散歩に出て星空を見上げながら、肌寒い風に当たってみたり、めったにやらない数学の問題集を解いてみたりもした。それでもやはり、あの絵が頭の中から完全に消えることはなかった。時には関係ないポスターまであの絵に見えてしまう幻覚のようなこともあった。その度に私は、全身の血液がいつもより早く流れ、手の指先が震え、少し呼吸が荒くなるようなこともあった。それでもなぜか、必死に耐えていた。その分、再び会えた時の喜びが増大するのだ。そして、より愛が増すのだ。そのためにも、時には我慢だって必要だ。そうでないと私の体も、これ以上保たない気がした。
そして、そんな日々を過ごしながら、土曜日になった。明日はついに展覧会がある。私はワクワクしながらも、どこか心臓がキュッとなるような緊張も感じられた。そんな思いで部活の練習をしている。私は、卓球部に所属していた。特別上手いわけでもない。同じ部活内でも、大会で結果を残している人だっている。それと比べると私は表彰すらされたことの無い、いわゆる平凡だ。体育の授業で少しイキれる程度の平凡女なのだ。そこまで卓球が好きな訳ではないし、『なんで卓球部に入ったの?』という問いに対しては『なんとなく』としか答えることしかできない。でも今はそんなことはどうでも良い。私は明日、ついに運命の日が来るのだ。まるでお見合いのような気分。お見合いなんて経験は私にはないが、きっとこんな感覚なような気がする。私はラケットを握りボールを打ちながらも卓球のことなど少しも考えていなかった。どんな格好で行こうか。少し落ち着いた大人のような服装?それとも少し可愛げのあるワンピースみたいな服装?いっそのことスーツでも着ていこうか。そんなことばかり考えているうちに、練習は終わっていた。
「気をつけ!礼!」
「ありがとうございました!」
キャプテンの後に続き、部員全員が挨拶をした後、私はそそくさと荷物をまとめ、なぜか走って家に帰った。なんでだろうか。走った方が明日が早く来るような気がしたのだ。でも、私は走ることが苦手で、足だって全然早くないし、すぐに息切れしてしまう。もし、馬がにんじんをぶら下げるように、私にあの絵をぶら下げたなら、それはもう無限に走れるような気がする。いや、無理か。でもそんな気がするのだ。それぐらいあの絵は私にとって魅力的なのだ。
そのまま家に帰り、いつものように夕食を食べ、お風呂を済ませ、酔っ払って私に飛びついてきそうな父を蹴飛ばして、階段を駆け上がり、自分の部屋へと上がった。今夜......今夜さえ我慢すれば、明日ついに彼の作品に会えるのだ。写真とかポスターとかでなく、本物に会えるのだ。はあ......私の中で花火が続けざまに上がるように鼓動が止まらない。心臓が胸を突き破り、そのまま天井まで届いてしまいそう。気づけば私は、心臓に両手を当てていた。しかし、そんなことで治るわけもなく。みんなが寝静まった夜、私の心臓の音だけが部屋に響き渡っていた。私の部屋はまるで、お祭り会場のようだった。
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