第13話 茜と再開
なんだか、今日は疲れてしまった。
西城さんや野口さんのはしゃぎっぷりについてゆけなかった。
紀代はお酒飲んでた。
あれ?まだ二十歳じゃないよね?
ま、いいか。
私はアパートのドアを開けると、そのままベッドに寝てしまった。
私は夢の中で色々考えていた。
これから始まる大学生活。
どうしよう、お金稼がないとな。
明日、考えるか。
泥のようにその日は寝てしまった。
翌朝、目覚ましがけたたましく鳴った。
寝坊予防の為に特別大きな目覚ましだ。
「あ、やばい!今何時?そうだ、今日は1限から講義があった!」
慌てて着替えると、私は駅へと小走りに走った。
大学に着き中庭の掲示板を一応見た。
講義は休講になっていた。
「なんだ、慌てて損した」
「あと90分、どうしようか?」
加奈子が中庭の植木を囲むベンチに腰をかけた。
すると、すぐ横に座ってくる人影。
「いやぁ!誰?男?」
「おはよう。茜よ。溝口茜。」
「あー!茜先輩! お早うございます!
あの、あの、西城さんとか野口さんが探してました!
昨日も実はあの後、探してて。でもよかった!またお会いできて!」
「そうなんだ。ま、私は復学したから、今日から講義も受けるし、
部室にも寄るよ。あ、加奈子ちゃん、メアド交換しよう!」
そういうと、茜さんは携帯を取り出し、赤外線通信でメアドを私の携帯に送ってきた。
「はい。完了! もう探し回る必要ないわね!」
「そうですね」
私はこんなかっこいい先輩とメアドで来たことが妙に嬉しかった。
茜さんは、紀代とはタイプは違うと思うがはきはきしていて、すらっとした体躯からアスリートを思わせる様な雰囲気があった。
「あの、茜さんは、哲学科なんですよね?
普段はどんな講義なんですか?
私は情報リテラシー学科に入ってしまったんだけど、なんか自分でもよくわかって ないんですよ。自分自身、変えなきゃ!と思って大学に来て、山岳部にも入って。
あ、すいません、なんか」
「加奈子ちゃん、90分暇だよね?ちょっと付き合って!」
そういうと、茜は加奈子の腕を引っ張り、すたすたと、中庭を抜け、半地下のある校舎へと歩いて行った。
のろまな私はとにかくついてゆくのが精一杯だった。
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