不思議の国の……エロ!パカの女王「タマを取れ!」
楠本恵士
第一話・ウサギの穴に落ちたらこんにちは
時は現代──ある所に、たいして取り柄もない平凡な男子高校生がいました。
男子高校生は将来に対する夢も希望もなく、自堕落に生きることが信条だと……そんな腐った怠け者の野郎でした。
休憩時間に勝手に帰宅した男子高校生は、近所の背丈ほどの草が茂った原っぱを、ブラブラと歩いていました。
「なにか、面白ことないかな……草の中から猛獣が飛び出して来たりして……なーんて、さすがに無いか」
男子高校生が、そんなコトを呟きながら歩いていると、突然草の中からウサギの顔をした幼稚園のスクールバスが現れて、男子生徒を弾き飛ばしてしまいました。
「どわぁぁ!」
男子高校生のタマがキュッと縮みます。
実は園児を送り届けた帰り道、過労から居眠り運転をしていた運転手がハンドルを握るアニマルバスが、崖のカーブを曲がりきれずにガードレールを突き破り、原っぱを暴走してきたモノでした。
ウサギさんのバスは、原っぱの草に中に隠されていた、建設資材に衝突して停止しました。
そして、バスから漏れた燃料に火花が引火して、原っぱの中でウサギさんのバスは勢い良く燃えはじめました──ウサギの丸焼きです。
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さて、アニマルバスに弾き飛ばされた男子生徒は、原っぱに空いていたウサギの穴に首を変な角度で折り曲げながら落下しました。
「グギッ……ぐぇぇッ」
穴の中を落下していく途中に突き出ていた岩に、首を何度も激突させて……男子生徒は死にました。
気がつくと、男子生徒は何事も無かったように、草原の木の下に立っていました。
「オレ、首を何度も折れて死んだんじゃ?」
どうやら、男子高校生はバス転で、異世界転生をしてしまったようでした。
「本当なら母親の腹の中で胎児からスタートするのが、セオリーなんだろうけれど……こういう、ご都合主義の転生もあるのか……女神とか神サマどこ? おおい、出てこいや女神!」
男子高校生が、いくら呼んでも、神サマも女神も悪魔も出てきませんでした。
男子高校生が、これからどうしようかと思案していると、忙しそうに近くを走り去っていく『働きナマケモノ』と遭遇しました。
「あぁ……忙しい、忙しい、どうしてこんなに忙しいんだ……わたしは、何に忙しんだ?」
男子高校生は、働きナマケモノを呼び止めます。
「すみません、そんなに何が忙しいんですか? 死んだボクは、どこへ行けばいいんですか?」
足を止めた働きナマケモノが、男子高校生を睨んで言いましたす。
「なぜ、わたしが忙しいのか君に言わなければならないんだ……君の行き先を、なぜわたしが知っていなければならないんだ……忙しい、忙しい」
働きナマケモノは、鋭い爪の手で丘の上に見えている、ショッキングピンク色の城を指差しました。
「死んだ者が行くのは、地獄か天国か異世界の女王の城と決まっている……自分が死んでいるとわかっているのなら、人に聞く必要は無いだろう……あぁ、忙しい忙しい」
そう言うと働きナマケモノは、走り去ってしまいました。
男子高校生は、しかたなく教えられた女王のピンク城に、スゴロクのようなレンガの道を歩いて向かいました。
いつの間にか空には、巨大な
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