ネタバレ禁止期間~その真相を話してはならない~
信頼できる語り手
ネタバレ禁止期間
最初の被害者が黒幕。主人公は二重人格。異世界に見えた場所は地球。化け物の正体は人間。犯人は容疑者全員。
こういったネタバレを聞いて、貴方はどう感じますか? 物語に期待する楽しみが1つ損なわれたと憤るでしょうか?
しかし、人の口に戸は立てられぬと言うように、ネタバレを禁じ続けるのにも限界があります。
ファンの拡散による話題性を軽視できないご時世ですし、内容に触れない範囲で語っていても盛り上がりに欠けますからね。
だから、最近は落としどころとして、『ネタバレ禁止期間』のルールが設けられていたりします。
まあ、それでも1週間程度のものですけどね。皆、旬の作品を語りたくてウズウズしているのですから、仕方ありません。
ただ、広いインターネットの何処かには、『本当に誰も内容を語ろうとしない物語』が存在するらしく……。
その文書を見付けた人は、中身について問われると口を揃えてこう言うそうです。『今は、まだ話せない』。
ええ、そうでしょう。貴方は納得できませんよね。納得できないから、こうして真相を探っている。
……これはここだけの話なんですが、実はいるらしいんですよ。『その物語』のネタバレを我慢できなかった人。
何故、話題になっていないのか、ですか?
ええ、どうもね。物語が飽和している今の世の中、一度きりの発信では人々の記憶に残らないようで。
つまり、そういう事です。
人の口に戸は立てられませんが、死人に口なしとも言いましてね。
貴方は既に死んでいる。
ただし、誰かにその事を知られるまでは、生者と同じように振る舞える。
──ネタバレ禁止期間は、貴方が自分で決めてください。
ネタバレ禁止期間~その真相を話してはならない~ 信頼できる語り手 @k-a-k-u-y-o
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