五歳
6話 やっと五歳ですか…
俺はやっと五歳になった、やっとだ、これまでが長く感じたぜ…
これで外に出れる!これから勉強が始まる!強くなれる!、と喜んでいたのもつかの間、俺、風邪引いてるのかもしんねぇ
俺は子供だ、わがままは言える、が、がだ…一応俺はヒーローを目指している、ヒーローは強くなければいけない、なら体調不良はダメなんじゃないかと思ってきているのだ…こんな体調崩してるのがヒーローかと、元気の象徴とも言える存在のヒーローが元気ではダメなのではないかと
まぁ俺はまだ目指している途中の足元にも満たない存在なのだろう、けど、だけどなんだよ、ヒーローを目指している時点で、体調崩してるのはおかしいことなのではないか!
俺は気合いでなおしたい、すぐに治したい、五歳になってすぐ風邪になるなんて思いもしなかった
吐き気もするし頭痛もする、子供らしく泣きたいが、中身がおっさんってことと、俺は子供のところから泣くのはダサいと考えながら生きてきた、前世の話だぞ
だから人前で泣くときは大体悔し泣きか痛さで泣いていた、でも泣いてる時人に泣いてるの?って聞かれたら笑ってあくびやばいんだよね、と応えていた俺だぞ、泣けるわけがない、泣いて何になるんだ
とりあえず…寝よう、寝ないと始まらない、この異世界には治療薬とか痛み止とかはあるのだろうか、さすがにあるか
異世界といっても時代は進んでいるんだ、逆になかったら今まで何してきたの?って感じだしな、……ヒーローは悪いことなんて言わないか、まぁ俺はまだヒーローじゃないしいっか、ヒーロー状態にならないと普通の人間と同じだ、口悪くらい許してくれるでしょ
うん、とりあえずおやすみ
「アベル様、失礼します」
声が聞こえた、アラシーか
「あ、アベル様、寝ていらしたんですね、邪魔をしてしまい申し訳ありません」
アラシーが頭を下げる、メイドを持つってこんな気分なんだな…まぁもうなれたから違和感とかないけどさ
「ん、ん…アラシー?ごめん、もうご飯の時間?」
ちょっと頭に痛さがきたけど普段通り会話する、寝起きだから多少ふわふわしててもバレないしな
「はい、ご飯でございます、体調が悪いなか、起こしてしまってすみません」
……バレとるやないか…なんで体調が悪いとわかってるんだ?怖いぞ、俺そんな顔にでてたか?
「体調が悪い……?」
「はい、そうですね、アベル様は寝起きだからと言うのを理解していても顔が赤いですしとても表情が硬いです、普段のアベル様との違いは子供の頃からお世話をしていればわかるというものですよ」
すげー、観察力つよー
「そ、そうなの…すごいね、アラシーは」
「いえいえ、滅相もない、アベル様の方がすごいですよ」
「あはは、ありがとう」
ちなみに俺は頭のなかでは口悪かったりするけど人と話すときは穏やかめだと思う、自分的にはなんだけどね
ヒーロー目指してるから人当たり良くしとかないとヒーローだと思われないからな、ちょっと助けてくれただけのやつとヒーローは全く違うからな
おわっりでーす、途中の泣くなかないの話は筆者の体験談です、昔泣かないようにしすぎて簡単に泣けません、こわーい
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