逞しくしたたかで強烈なヒロインが魅力的な恋愛ファンタジー

奈良時代を舞台にした男女の恋愛を独特の文章で紡いでいく作者様がカクヨムコンのために書き下ろしたのが、恋愛は恋愛ものでも、なんとラノベ異世界ファンタジー、しかもタイトルにあるとおり、3人の王子から求愛される一種の逆ハーレムもの!?

さすがにこれまでの作風に慣れていたせいか、若干不安な気持ちで読んでみたところ、いやあ、まさに軽快なタッチで物語が前に前に進んでいく楽しいラノベでした。

ヒロインのタクアンヌ、奴隷として長らく盗賊たちに囚われの身でした。殺されなかったのは身体に秘密があったから。そして、運命の歯車が回り出します。
ある時、一人の王子に救出され、あれよあれよという間に王国に連れていかれ、タクアンヌこそが救世の乙女であることを知らされます。

普通なら富も権力も美貌も持つ王子から言い寄られたら、あっという間に転んでしまうのがオチですが、タクアンヌは決してそうではありません。奴隷時代の経験がものをいうのか、とにかく逞しく、したたか、何よりも自分の考えをしっかり持っていて、それをそのまま行動で示します。

今までのヒロインとは一線を画すところも大きな魅力でしょう。しかも「救世の乙女が恋をしないと世界が滅ぶ」というとんでもない神託がある中で、言い寄ってきた王子たちをけんもほろろにすり潰し、挙げ句「私は恋などしません」と啖呵を切るところなど、むしろ爽快感しかありません。
タクアンヌがなぜこうなっているのか、深い理由がいろいろあるので是非本編で確かめてください。

また、タイトルからすると求愛する王子は3人のはずが、途中で4人目の王子が、なんて飛び道具もあったり、女神のうさん臭さや、さらにもう一人の大物等、登場するキャラ全てがユニークで魅力にあふれています。あ、そうそう、彼ら彼女らのネーミングもまた一興です。

全くぶれないヒロインのタクアンヌは誰に恋をするのか、王子の誰が恋に落とすのか、さらには世界は本当に滅んでしまうのか、恋愛だけではないファンタジーらしい要素満載の本作、一緒にハラハラドキドキ、わくわくしながら追ってみませんか。

完結までラスト2話を残すばかり、今ならまだ間に合いますよ。面白さ請け合いの本作、お薦めします!

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