世界が滅ぶ時、ヒロインの魅力炸裂! 面白い( ;∀;)
- ★★★ Excellent!!!
女性キャラの魅力に正面から挑んだ傑作です。
それはものすごくリスキーな問題であり、そして意欲的な創作となります。
概要より抜粋
タクアンヌは18歳の奴隷女。
特殊な能力のせいで、悪い盗賊に捕まって八年間幽閉されていた。
助け出してくれたライス王子は、タクアンヌを〝救世の乙女〟と呼び、彼女が恋をしないと世界が滅ぶ、と告げる。(抜粋おわり)。
本作、概要をお読み頂ければわかる様に「救世の乙女が恋をしなければ世界は滅ぶ」という驚きの設定です。
先に書いた様にこれはとてもリスキー。
一般に物語がいかに荒唐無稽な事を書こうと成立してしまう理由、皆様もご存知かとは思いますが、それは「キャラの持つ説得力」です。
逆にどんなに素晴らしい設定や世界観、ストーリー展開、巧みな描写力があろうと、「生きていないキャラ」、いわゆる物語の流れを進めるだけの「力」のない人形だと、しらけてしまうものです。
さて、本作です。
①ヒロインは恋をしなければいけない(強制)。
②世界が滅ぶという特殊環境。
③八年間も幽閉されていた18歳の奴隷の女の子。
これって、説得力のあるキャラを書く難しさが作品設定により、数倍にも跳ね上がっております。
なぜなら、強制的に恋をさせようとすればそこに「リアルさ」は欠如しがちです。そのうえ、世界が滅ぶと言う環境下では「本物の恋」かどうかもわかりません。さらに幽閉されていた奴隷の女の子って、そもそもコミュ力があるのかどうか……。
通常の異世界ファンタジーで使われる「不幸な環境から救ってくれたイケメンに恋するヒロイン」という型は、正直「吊り橋」です。それもわかりやすくていいのですが、「世界が滅ぶ」という設定のせいで、「安直でご都合主義な恋」は偽物くさくて読者に不信感を与えるというか、物語が薄っぺらくなります。
これってすごく難しい設定だ、僕は大丈夫だろうかと老婆心を全開にして拝読いたしました。
結論、杞憂でした(笑)。
ヒロインのタクアンヌは、見事なまでにリアルな女の子で、その言動、行動の全てにおいて「力強い説得力」を有してます。恐らくこのレベルの女性心理を書ける作者様って、とっても少ないと思います。
創作の為に生み出された都合の良いヒロインではなく、現実にいる女の子、そういう意味でのリアルさです。だからこそ、すべての設定やストーリーが生きて来ます。
ゆえに、筆者様が生み出したタクアンヌというヒロインは、このリスキーな設定を鮮やかに覆し、完璧で納得の見事なエンディングへと、僕達読者を導いてくれます。
お勧め致します。
とっても面白いです(笑)。難しく考えなくても楽しめて、難しく考えるとその整合性に唸らせられる、そんなものすごく懐の広い物語です。
皆様、宜しくお願い致します( ;∀;)