推しとDMした女

「いつもギフトありがとう!今日は特別な写真送っちゃうけど、みんなには秘密にしてね!これからもよろしく!!」


 配信終了後、推しから突然届いたDMに私は発狂した!!

こんな日が来るなんて・・・・・・

あられもない姿の推しの画像をすぐに保存して、舐めるように何度も見続けた。

実際スマホの画面を舐めた女は私です、本当にゴミ屑でどうしようもない社会不適合者です!!!

でもヤバい、ヤバい、この気持ちどこかで発散しないと!!!


 私はフォロワーが3人しかいない裏垢に切り替えて、次のようにポストした。

「ここだから言うけど、今日推しからDMが届いちゃってヤバすぎる!しかも超激レア画像も付いてた!!!!」

フォロワー3人といっても全然リプもリポストもないから幽霊みたいな存在だ。

ライブに参戦した時、知り合った人で何となく親近感があった。


 それからも私は推しの配信でギフトを投げ続けた。投げれば投げるほど、推しに認められる。その高揚感がどんなことよりも気持ちがいい!!

さらにギフトのお礼として、一か月に一回くらいはDMであられもない画像が一緒に送られてきた。私はそのたびに、裏垢でヤバいヤバいとポストし続けた。


 数年が経ち、推しはアイドルを卒業して俳優として活動し始めた。

一方私はコンビニバイトを続けて、とくに彼氏ができるわけでもない生活を続けていた。推しが出演するドラマは欠かさず見ていたが、キスシーンとなるとどうにも我慢できないイライラが湧いてきた。

「私とキスするなら許せるけど、こんなアイドル出身の女とするなんて許せない!!!」

キスシーンのたびにスマホを壁に投げつけるので、画面はバリバリとヒビが入っていた。


 ある日、Xのトレンドに推しと共演女優が同棲していると週刊誌にスクープされたことが載せれていたのだ。私はついに発狂した!!

「私の金を返せ!!!返さなければDMに付いていたあの写真も晒してやる!お前の芸能人生を破壊し尽くして、私にすがるしかない顔だけが取り柄の男にしてやる」

そんな事を考え続けていると次の日に再び、推しの名前がトレンドに上がった。

そこには、あられもない姿の写真と「ファンをだまし続けた銭ゲバ男」という言葉があった。


 結局、私は推しにとって丁度いい馬鹿な女の一人でしかなかった。


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