恐怖の人生劇場
おみくじあたり
電車内で見えた影
私は大学の授業を終えて電車を待つ列に並ぶ。
前の女子高生のバッグには、推しのK-POPアイドルのチェキが付けられている。
私もそのグループは知っているが、事務所の社長のトラブルが問題視されてから興味が失せてしまった。
「3番線に電車が参ります」
わざと渋い声に潰した駅員の声が響き渡る。
「ゴオオオオオオオオオオ」
停車した電車からは次々と乗客達が降りてくる。
県庁所在地の駅だけあって、あらゆる欲望に引き寄せられているかの様だった。
私は女子高生に続いて電車に乗った。
所々空いている席があったので選びたい放題だ。
「あそこにはちょっと怖そうな人がいるからやめておこう」
そんなことを思いながら、適当に良さそうな席に座った。
電車の発車まで時間があるので、Xの通知を確認する。
フォロワーのカボチャ大好きが、今朝ポストした雑文にいいねをして
「僕もそういう経験があります。人間って本当に見えるものしか信じませんよね。だからバカなんですよ!!」とリプしていた。
彼は同意しながらも結構口が悪い。
だから適度な距離感が大事だといつも思っている。
その時、ふと正面の窓を見ると黒い影が過ぎ去った。鳥でも来たのか?いやいや、今までこんなことはなかった。すると周りの席もざわつき始めた。
何だか嫌な予感がして、鳥肌が立ってしまった。
再びXを見ると、カボチャ大好きからDMが届いていた。
「今、僕の悪口を心の中で思っていましたよね?」
「思ってないし、DMするなんて突然どうしたの?」
「金の亀さんが、僕のリプを確認しているなと分かったので」
「ええ!?そんな見てもいないのに何言ってんの!」
「正面の窓見てくださいよ」
私が窓を恐る恐る確認すると、カボチャ大好きの引きつった笑顔が貼り付いていた。
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