指先の微かな触れ合いに言葉を宿す、詩的で繊細な描写力

とても静かな、文学的な美しい物語。

表現方法は、繊細で詩的、そして象徴的であり、物語の核となる「静かで秘められた感情」を見事に描き出しています。

「言葉にできない想い」を、本や、指先のかすかな接触という、非言語的な手段で表現する描写は、非常にロマンチックで感動的です。

「見せる」のではなく「感じさせる」ことに重点が置かれ、過度な説明を排し、象徴的なモチーフと極めて繊細な描写を通じて、二人の間の「静かな熱」を巧みに表現しています。

言葉に頼らず、読者に二人の感情を深く感じさせる描写技術が卓越した作品。

言葉にならない繊細な心の動きを、美しい描写で味わいたい方、必見です。

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