フロストストリート編

第13話 魔法少女は出発する!

「美味しいですっ!!!」


「久しぶりの焼肉食べ放題ですね。

お代は私持ちです、2人とも存分に食べてください。

・・・・・・」


「はいっ!!!はむ。むぐ」


「私も払うのに・・・・・・もう。あれ。ふり?」


「いえ、なんでもありません。

ただ遊園地では何もできなかったなと」


ふりさんが俯いてしまいました!!!

口に合わなかったのでしょうか!!!


最強のワタシが美味しく焼いてあげましょう!!!


「そんな事ないよ。ふりが居てくれなかったら言鳥ことどりを倒せなかったし、雨神うじんの時だってあそこまで決心出来なかったんだからね」


ブッカーズがふりさんの手をとっています!

仲良しです!!!


焼けました!!!


「ふりさん!!どうぞ!!!!」


「ふふっ、2人ともありがとうございます」




⚪︎⚪︎⚪︎




ごちそうさまでした!!!


モニョさんを思い出して沢山食べてしまいました!!!


お肉は生で食べないそうです!

次にモニョさんを食べる時は焼いてみます!

あれ?でも少し焼けていた様な。


「ドールさん。本当に行くんですか?」


「はいっ!!!」


「流石だねドール。迷いがないもんね」


「はい!まだまだ人助けをしなければいけません!ので!新しいところに行こうと思います!!」


お腹をさすると、なんと!

少し大きくなっていた!

不思議っ!!!


「おぉ〜!!!」


「満足してくれた様で良かったです。助けて頂いた手前、何もしないのは気が引けますから」


「ドールはいつ出発するの?」


「ん〜!!!今日です!!!今っ!!!」


「え?今!?夜だよ!?」


「ドールさんが強いのはさゆから聞きましたが、子供を1人夜中に放り出すのは些か常識かける判断ですね。さゆ、」


「いえ!ありがとうございます!!!」


最強魔法少女は止まってはいられません!


「魔法少女は無敵で最強で不可能は無いっ!だから私は次へ行きます!」


「・・・・・・どうしたいか。それを夢見るのが私たち。だよね」


「さゆ?」


「ねぇドール。貴女は人を助けて、助けて沢山助けた後。

貴女はどうするの?」


「?。ん〜、マモノを倒します!」


「ふふっそうだね。でも私がふりを助けたいって思ったように、

貴女にも何か。貴女の願いが生まれると貴女に助けられた私は、嬉しいな」


「むぅ。ぅ〜〜うぅぅう。難しいです!」


マモノを倒す!

人を助ける!!

これが魔法少女!!!


「では私からも。

ドールさん。先程、貴女を子供称しましたが。私達も子供です。故に間違いを恐れてはいけません。コレは私が魔対に入る際、家族に言われた言葉でもあります」


「間違えません!魔法少女です!!最強です!!!」


「えぇ。魔法少女でも、最強でも、です。

新しい事を始める時、誰しもが「わからない」から始まります。ですがその疑問が積み重なり、時には解決し、また積み重なり。コレらを繰り返す事で私たちは知識を得て子供から大人へと変わります」


「!!!おぉ〜!!!確かに!不思議がいっぱいです!!」


「そうなんです。貴女の純粋さは何よりも代え難い個性です。

そして貴女の持つその不思議に貴女なりの答えを探すと、その道中で色んなモノを拾う事になります。

良い事も悪い事も貴女が貴女らしく考えるための一助になってくれます。

故に、間違いを恐れてはいけません」


「ぬぐぅ」


ふりの話は難しいです!!!

でも、真剣に話してます。


「ごめんなさい。別れに対し少し陰気が過ぎましたね」


「ねぇ、ドール?何処へ行くかは決めたの?」


「・・・・・・はいっ!!!お猿さんと!海です!!」


「?ふり、どこかわかる?」


「えっと、どこでしょう。猿というと内陸部のイメージがありますが海ですか・・・・・・幸島こうじまでしょうか」


幸島こうじまって?」


「宮崎県にある島の事です。通称猿島。私は行った事がありませんが、その島にはかなりの数の猿が居るそうです。ドールさん。あっていますか?」


「ん〜!!!むむぅ〜!もっと上です」


なんとなく違う気がします!!!


「ごめんなさい。お手上げです」


「私もわかんないかな」


「えっとです!あ!猿投山です!!!」


なんだか向こうの方から!

助けを求める声が聞こえます!!!


魔法少女として行かなくてはいけません!!!


「隣の県じゃ無いですか。さゆ。猿投山とは」


「流石に知ってるよ!まだがある所でしょ?」


「流石ですね。それにしても猿投山ですか。ちかく結界の攻略がされると噂になっています。何事も無ければ良いですが。

ですが永らく結界が解決していない事から、その厄介さは窺い知れるでしょう。

ドールさん。十分身体に気を遣ってください」


「そうだね。ドールが強い事は知ってるけど、無茶はダメだよ?

最近、凄く強い魔法少女が無茶をして入院する事態になったんだから」


「はいっ!最強ですから!!!

大丈夫です!!!

そろそろお別れです!!!」


「うん。ありがとうドール。ドールが来てくれて本当に嬉しい。また会えるよね」


「ドールさん。助けて頂き誠にありがとうございます。何かあれば⚪︎△支部にご連絡ください。私にできる事であれば必ずお力になります」


「さようならです!!!」


「また今度ね!!」


「またいつか会いましょう!!!!!」




⚪︎⚪︎⚪︎プリンスブレード 視点 ⚪︎⚪︎⚪︎




「お呼びですか?橙子とうこさん」


「あぁ。よく来てくれた。カナタくん。先日の九州大規模揺らぎゆよく止めてくれた。感謝を」


九州から東京へ帰ってきたのはつい先日。

翌日には学校へ行き、その週の土曜が今日なんですの。

家で宿題を片付けていたら、急に支部長に呼び出しを受けたのですわ。


昼夜を問わない揺らぎ。学業より優先される人命。

文句は無いですけど、魔法少女って存外ブラックですわよね。


「それで橙子とうこさん。要件はなんでしょう?」


「まぁ落ち着け。それより学校はどうだ。最近は魔法少女として活動してもらう事が多かったからな」


「学友と遊ぶ時間が少ない意外。特にありません」


「随分棘のある言い方だ。私も元とはいえ魔法少女であった身。その憤りは理解できるとも。

だが、いつの時代も強さとは時に相応のしがらみが付く」


この流れはまずいですわ。


何やら押し付けられそうな気が。


「そこでだ。カナタくん」


「待ってくださいな橙子とうこさん。わたくしは夏にフェスの警護がある筈ですわ」


「そうとも。これこら話すのは別件だ。知っているとは思うが、近々愛知県に存在する猿投山の結界を解消するために、大規模な攻勢を仕掛ける手筈になっている」


「えぇ。そのために結界内の確認。威力偵察としてロスト・タイムが向かったとも聞いていますわ」


「そのロスト・タイムだが連絡が途絶えた。

文献を読むに、この様な結界の変化は初と言えるだろう」


「はぁ!?!?待ってくださいな!!!!

結界内にロスト・タイムを放置したままだと!?」


「いや。何回か救援を試みているがそのどれもが


「なっ!?」


結界。

かつての魔法少女がその命を持って日本全土で起きた大規模揺らぎを封じた。

その数は記録にあるだけでも年間で魔法少女が処理している揺らぎの数に匹敵するほどですわ。

魔物が現れてから20年後に日本の領土の8割が結界に覆われ、そしてここ280年で6割までその数を減らしている。


そう。実は日本の6割は未だ魔物の領土。


「結界は魔法少女が創り出したモノですわ。そんな利敵になる効果など・・・・・・」


無い。とは言い切れないですわね。

魔物も時代に応じて変化している。そして結界が組まれてから少なくとも280年は経ってますわね。


魔物を留め続けている結界がその影響を全く受けないとは思えない。


「つまりわたくしが行うのは結界内に居るであろう魔法少女達の救出。そして結界の解除ですわね」


「この際、結界の解除は努力目標で構わん。やれるか?」


「えぇ。お任せ下さいな。

ですが、この手の話ならノーレンジが最適ですわよね?」


「それもそうだが彼女は今、兼ねてより計画されていた太平洋上に存在するの調査に出向いている。

待ちきれないスター・オブ・ワンが先日迎えに来ていたよ」


あぁ。先輩もお疲れ様ですわね


とはいえこちらも一大事




「了解しましたわ。このプリンスブレード。見事完遂してみせましょう」

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