第9話 タイプS→SS

魔法少女改めて!!!!

ザ・ビギニング・ドール!!!!

ドールって呼んでください!!!


かっこいい名前をもらいました!!!

嬉しくていつもより沢山回ってます!!

くるくる〜です!!!


「ドール?私は遊園地から野外ステージ周辺するね。ドールはジェットコースターからお土産屋さんまでをお願いして良いかな?」


「はい!!お任せください!!!!

最強なので!!やり遂げますよっ!!!」


「ふふっ、それじゃお互い頑張ろうね」


ドール!!

出発です!!!




⚪︎⚪︎⚪︎




「うっぷぇ、酔いました。くるくる酔いです!」


頭が痛いです!!!

止まってるのに頭がくるくるしています!!!

不思議!!!


目をぎゅっと閉じてうずくまりました!!


「ふぬぅ〜〜!!ぬ〜!!!」


そうすると!なんて不思議!!

頭のくるくるが無くなっていきます!!!


ふぅ!


「復活です!!!頭もスッキリです!!!」


ふぬ

でもマモノは居ません!!

だって!!

さっきまで探し回ってましたから!!!


あっちにこっち動いてたのは知ってます!

でも、あれはなんと!

岩だったらしいです!


「うぉぉぉぉぉおおおおおお!!!」


気合いを入れ直し再度魔力探知!!

でもいな・・・・・・

ん?


ほよ?


「いたぁぁぁああああ!!!!」


『うるっ、ドール。声量大きいよ』


『いや彼女は常にこのテンションだ。それよりドール。見つけたのは本当か?』


「はいっ!!!湖です!!!」




⚪︎⚪︎⚪︎




「ふっふっふ〜!!!最強魔法少女の目は誤魔化されませんよ!!!」


「凄いねドールちゃん。私は見つけられなかったよ」


合流したのはブッカーズという魔法少女!!!


魔法少女!!!!!!

これで3人目です!!!!


『よし。合流したな?それでは対処法を教える。磐座いわくらだが、今回は神を呼び寄せるのでは無く、退ける。霧散させるために使用する。しめ縄の位置はわかるか?』


「いえ、磐座いわくらは湖の中央にあり、目視での確認は出来ません」


『水か。神域の効力を上げるためにその場を選んだのは納得だな。ただ水中というのはわからんが。少なくともしめ縄はあると仮定する。

今回は消滅を選ぶ。磐座いわくらを囲う様に対極に立ち、片方が縄だけを覆う様に魔力を流してくれ。

その後、もう1人が縄の内側に魔力を流す事で、縄が緩み自然に落ちるだろう』


「では私が外側を担当します」


「ならドールは内側です!!!!」


『よろしい。それから解けた縄だが、お焚き上げを行う必要がある。やしろを築く必要があるが。

ブッカーズ、鳥居は作れるか?』


「素材があればいけます」


『よし。なら素材は石だ。

鳥居は、磐座いわくらを内にする様に設置してくれ。岩との距離は空いていて構わない。

ただ、内側という方向は気をつけてくれ。

そして、しめ縄は鳥居と磐座いわくらの間で燃やしてくれ。当然、縄は鳥居の中を潜って地面に設置だ。

燃やし方はブッカーズの赤の書を使用してくれ。

以上が簡易的なお焚き上げになる条件だ。

覚えられたか?』


「・・・・・・はい。問題ありません」


「大丈夫です!!!最強なので!!!」


『その後は終わり次第、次の指示を出す。

任せたぞ。ブッカーズ、ドール』


「はい」


「はいっ!!!!」




⚪︎⚪︎⚪︎




「順調です!!!」


「えぇ、後はお焚き上げだけだね。ドールって魔力操作上手だね。びっくりしたよ」


「えっへん!!!!最強ですから!!!」


「ふふっ、そうだね。うん。それじゃ始めるね。

赤の書、その怒りを持って、眼前の敵を燃やして!」


ごうっ!

っておっきな音が!!!


「おぉ〜!!!かっこいいです!!!」


「そ、そうかな?。あんまり言われないから。少し恥ずかしいかも。っと、長峰さん。無事しめ縄は燃え」


ぽつぽつ


「雨です!!!!ざーざーです!!!」


「っ!!縄は!?良かった。燃え尽きてる。あっそうだ。あの長峰さん。さっきドールには話したのですが」


『どうした。何かあったか?』


「はい。支部からの折り返しの連絡や、増援の魔法少女が姿を見せないなと」


『・・・・・・そうだな。既に魔物の発見から4時間は経過している。俺の方にも連絡が一切ないのは不自然だ。他に気づいた事はあるか?』


「むぅーー!!んーー!!ぬー!!雨が降りました!!!」


『あぁ、そうだな。・・・・・・いやそれもおかしい。天気予報は晴れだぞ。いや絶対視してるつもりはない。通り雨の可能性もあるが』


「一体が曇り空ですね」


「じめじめです!!!!」


『はぁ、時間が無いってのに次から次へと。

ふぅ・・・・・・。神域・・・・・・神。磐座いわくら。湖。・・・・・・雨。何かあった気が』


「長峰さん?」




『っ!!そうだ!雨女だ!!!』




⚪︎⚪︎⚪︎ 長峰ながみね達也たつや 視点⚪︎⚪︎⚪︎




くそっ!何で気が付かなかった!


『雨女!!!って何ですか!!!』


「雨女。本来はタイプBの魔物だ。だが今回はある伝承と共に発展した存在になる。

タイプSS。偽神・雨神うじん

噛み合えば大規模揺らぎすら引き起こす」


「っ!そんな!?増援が来てないんですよ!?」


『あぁ。だが落ち着いてくれ。まだ最悪では無い。

君達が壊してくれた磐座いわくらこそが言わば奴の神格。

本来はこの擬似神格を探すのが手間だと言われているが、そこの問題は無視できる。

神格を破壊された神は本来の力を従前には扱えない』


雨女。雨を呼ぶという事が広く知られているが、彼女には擬似的な神格を与える伝承が存在する。

雨を降らすという事は即ち、かんばつにおいて人を助ける存在となり、その規模を考えると神と遜色がない。


晴れが急に雨に変わったのはこの影響か。


『奴が姿を現さなかったのは、伝承。つまり奴の素性が朝と夕に分けられるからだと思われる。

現時刻は15時。

本来、身を潜め夕方頃に活動する予定が、磐座いわくらを破壊された事により強制的に目覚めさせられたのだろう』



雨女は人を指すが言葉でもある。

子を亡くす。

コレは過去に水や豪雨によってもたらされた悲劇も含まれており、その怒りの矛先は雨女に向かっていた。


故に雨女は事象であり人である。

子を亡くす事象でもあり、

子を亡くした親でもある。


拐ったのが子供だけな理由がコレだ。


そして、最大の間違い。奴の神域は野外ステージのみだと考えていた。

だが違う。


相手は偽りと言えど神。

遊園地を丸ごと神域にする事など容易いだろう。

奴が動いた時から既に俺たちは常世へと足を踏み入れていた。

故に現世がいぶと連絡が取れない状況にあった。


俺のいる野外ステージと磐座いわくらが破壊された湖。

かなり距離があるが、それでも相当な圧力を感じる。


コレは無責任な期待だ。

子供相手に掛けて良い期待では無い。


だけど、願わずにはいられない。


『さぁ。構えてくれ勇敢な魔法少女達。


タイプSS。偽神・雨神うじん


のお出ましだ』




⚪︎⚪︎⚪︎ブッカーズ 視点 ⚪︎⚪︎⚪︎




まぶいっ!本当にまずい!!


まだ発現すらしていない。

の段階だ。


それでも足が震える。

アレで弱体化済み?


ふざけてる!


「ほほー!!!!!凄いです!!!プリンちゃんの本気と並びますよ!!」


誰よプリンちゃん。

と言うか、よく平気よね。


「ね、ねぇ。怖くないの?」


「ん?はい!!!!だって魔法少女ですから!!!」


「そうなんだけどね。でも」


「むぅ!私たちは魔法少女です!!!最強で!!!無敵で!!不可能なんて無いんです!!!!」


感情論がすぎるけど、

確かに。

何より納得できる回答だった。


私たちは魔法少女。

掛けられる期待や不安は大事では無い。


どうしたいか。

それを夢見るのが私たち。


足の震えは些細な問題。


「ありがとう。ドール」




「えへへっ!お役に立てて嬉しいです!!!

っ!そろそろです!!!!」

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