第6話 魔法少女は空を知る!
「おぉぉぉおお!!!きぃぃいいい!!
たぁぁぁあああ!!!!」
おはようございます!!!
最強魔法少女です!!!
今日のワタシは一味違います!!
なんと!お腹が減っていません!
ドヤっ!!!
「えへへ、昨日の夜は沢山食べましたからね!」
掛け布団を退け、勢いよく立つとちょうどノック音が響く。
「はいはい!どうぞ!!」
「朝から元気そうだ。おはよう」
「おおー!おはようです!ながー!、みねさん!!!」
「覚えてくれたのかい?ありがとう。朝食を準備したんだ。一緒に食べるかい?」
「はいっ!!!」
なんと!
お腹が空いてなくても食べちゃいます!!
最強なので!!!
⚪︎⚪︎⚪︎
「ごちそうさま」
「ごちそうさまです!!!」
モニョさん!
熊さん!昨日の夜ごはん!
朝ごはん!
みんな美味しかったです!!!
でもプリンちゃんの魔力も美味しかったです!
口がぐさーって!!
少し痛かったですけど!!!
「今日は何するんだい?」
「ぬ?ん〜!!ん〜〜!はっ!!!そうです!人助けです!!!」
お腹いっぱいで忘れてました!
最強魔法少女として人助けをしないといけません!!!
「良い心がけだね。それじゃ何から始めようか」
「外に出ましょう!!!・・・・・・ほぬ?長峰さんも来ますか!人助け!!!」
「うん。子供1人じゃ不安だからね」
「なら2人で出発です!!!」
⚪︎⚪︎⚪︎
「遊園地か。久しぶりに来たな」
「おぉー!!!キラキラしてます!人も多いです!!!」
凄く元気です!
みんなみんな元気です!!
これなら元気じゃない人も探しやすいですね!!!
「まずは見て回ろっか。行きたい所はあるかい?」
「むむっ!ぅ〜ん!ここです!でっかい丸い奴!!」
「観覧車だね。走って転ばない様にね」
「はいっ!!!」
なんだかとても大きいモノです!!
人が多いとどうも声が聞こえづらくなります!
仕方が無いのかもしれませんがワタシは最強!
不可能なんて無いっ!!!
「むむぅ〜〜!!ぬ〜!うぉぉぉおおおっ!!!よっ!!!」
『ねぇ、次あそこ行こうよ』
『ママ、これ美味しいっ』
『ハイっチーズ!』
「おぉ!!凄いです!!!」
色んな声が聞こえます!!!!
これで悲しい声も聞き逃しません!!!
ワタシは最強!!!
「随分と元気、なのはずっとだけど。急に驚いてどうしたんだい?」
「はいっ!沢山の声が聞こえます!!!」
「うん。そうだね。遊園地だからね。人の多い所に来るのは初めてかい?」
「始めです!!!ん、でも!プリンちゃん達と出会った時は沢山いました!」
「プリンちゃん?、誰だろ。あっそろそろ着くよ」
「おぉ〜!!!」
⚪︎⚪︎⚪︎
「お、おぉ〜」
ぐ、ぐぇぇ、頭が!!!
色んな声が聞こえてきて!!!
頭が痛いですっ!!!
負けてはいられません!
最強なので!!
でも悲しい声を聞き逃さないために聞かないといけません!!
「どうだい?何か見えるかい?」
「はいっ!沢山の人がいます!!!こんなに高い所に来たのは初めてです!お空を飛んでるみたいです!!!」
ノーレンジが飛んでた気がします!!!
こんな感じだったのでしょうか!
羨ましいです!ワタシも飛びたい!
「ははっ、うん。そうだね。それで良いよ。ほんと、不思議だね」
長峰さんが外を眺めてぼーっとしています!
でも嫌な感じでは無いです!!
不思議!!!
『ぁぁあ。あぁあ、たす・・・・・・』
およ?
⚪︎⚪︎⚪︎桐原さゆ 視点 ⚪︎⚪︎⚪︎
な、なんと今日はふりさんと、その遊園地です。
プライベートで遊ぶのは初めてかもしれません!
「どうかしましたか?ブッカー、いえ。桐原さん」
「ううん!な、なんでも無いよ。それより楽しみだね!夕方だっけ」
「えぇそうです。・・・・・・現地に来てしまってから言うのも違うとは思いますが、本当に良いのですか?
私からお願いした事ですが、すごく個人的な用事です」
「そ、そんな事ないよ!誘ってくれすっごく嬉しかったし」
そうなんです。
昨日あんな事があって⚪︎△支部が気を利かせたのか、学校へ連絡が入り私達は休みになりました。
魔法少女活動をする上で学校を休むのは比較的ある事なので、そこに驚きはありません。
ですがなんと、
ふりさんが好きなインターネット上のアイドル。ラミリィがこの遊園地でコラボするとの事。
普段クールなふりさんがラミリィ推しと知ったのは初めてなのでびっくりしましたよ。
でも新しい一面が見れるのは良い事だよね。
「まだ公演には時間あるんだよね?」
「はい。予定時刻は16時から。⚪︎△支部から頂いたチケットには座席の指定がありますので、遅くとも30分前に席に着く様にしましょう」
「ふふっ、なんだかサポーターのふりさんって感じだね」
「言われてみればそうですね。今はプライベートです。もう少し砕けた方がいいでしょうか」
良いのかな。
ふりさんって、ブッカーズか桐原さんしか読んでくれないんだよね。てっきり一線引いてると思ってた。
違うかも。私が話すの下手だからかな。私が壁あるのかな。
ううー。
「じゃ、じゃあさ名前の呼び方とかどうかな」
「呼び方、ですか?・・・・・・一緒に活動してそろそろ2年ですしね。変えてもいいかもしれません」
「え、嫌じゃないの?」
「嫌?私がですか?」
「だ、だって、いつも。敬語だし。あんまり、その親しくしないのかなって」
こんなストレートに言って良いのかな。
不安になってきた。
帰りたい。
「すみません。私のせいですね。話し方は生来のモノと考えてください。そもそも、私が貴女を嫌っていたら2年もバディを組んでいませんよ」
え、
「え、ほんと?あぁごめん。疑ってるわけじゃないの。嬉しくて」
「嬉しくて?」
私の空回りだったんだ。
良かった。嬉しいな。
だったら、もっと早く言ったらもっと話せたのに。
で、でもこれから話せば良いよね。
一方的な友達だと思ってたから
「その、友達みたいだなって」
「はぁ。私は前から思っていましたよ?
ただ。魔法少女として前線に出てる貴女にプライベートでも負担をかけたくなかったんです」
友達だよね。とは聞けない。
気の弱い臆病な私は、相手に言わせたがってしまう。
多分、そんな弱い私にも気づいてくれて言葉をくれる。
なんか、心地いい。
「もう。それじゃ行きますよ。さゆ」
「うん!」
⚪︎⚪︎⚪︎
「え、ふりちゃん。ほ、本当に行くの?」
「怖いんですか?昨日、夜に古屋に行ったじゃないですか」
「だって!あれはふりちゃんが居てくれたし、魔法少女だったし・・・・・・」
「今も私はいるでしょう?。それに、幽霊屋敷に魔法少女は過剰戦力ですよ。ほら、行きますよ」
「え?あ、まって〜!」
遊園地なんて家族としか行った事がないし、
ましてホラーだなんて行く機会は無かった。
「お二人ですね〜、ではこちらへどうぞ」
⚪︎⚪︎⚪︎
「さゆ、あれ見てください」
「え、何?・・・・・・ってキャァァァアアア!!」
「ここは安全そうですね。あっ靴紐、解けてますよ」
「ふぅ、ぅ、疲れっ下に!!血ィ!!血がァァァアアア!!!」
「最後でしょうか?。謎解きですか。あれ?さゆ?」
「・・・・・・」
「やりすぎましたか」
⚪︎⚪︎⚪︎
「期限を直してください。さゆ」
「もう!ふりなんて知らないっ!」
「貴女は子供ですか」
「ごめんなさい調子に乗りました。
さゆの反応があまりに可愛くて。思った通りの反応をくれて非常に満足してますよ」
「私は不満だよ〜!」
うぅ、ふりちゃんと仲良くなったら悪いふりちゃんが出てきちゃった。
でも可愛いって言ってくれるし、
その、何度も私から抱きついちゃったけど。
それは、嬉しかったし。
私だけあたふたしててズルい気もする。
でも、ホラーでいつも通りなふりちゃんに安心したんだよね。
うぅ。
「まだまだ時間はありますね。どうしましょう。少し早いですがお昼にしますか?」
「ぅん。そうだね。叫びすぎてお腹空いちゃったかな。ふりは食べたいモノとかある?」
「そうですね。あ、このお店とかどうでしょう。少し値は張りそうですが、休むには良さそうです」
「へぇ、湖の近くなん・・・・・・」
『×××。×××、××・・・・・・』
「!?。っ!ふり!聞こえた!?」
「はいっ!そう遠くありません!・・・・・・私達しか聴こえていないと言うことは、声に魔力が乗っていたと言う事です。
人の声では無く、叫び声のため恐らく魔物。
音にまつわる個体であり、叫び声などで周囲に危険が知らせられないため、避難勧告にはもうしばらく時間がかかると思われます。
揺らぎの発生は確認されていないため、はぐれと想定。
緊急時であるため、魔法の使用は許可されます」
「いつもありがとう。幸いまだみんな気づいてない。大事になる前に解決しよう。せっかくの遊園地なんだし来た人みんな楽しまないと!」
「了解しました。私はここで位置の特定とサポートを行います。ブッカーズは先程声のした方へ向かってください」
「わかったよ!
楽しいや嬉しいを奪うのは私が許さないからっ!!
ブッカーズ!魔法少女を始めましょうっ!」
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