第1章:教師の理性と、ツンデレの挑発
第1章:教師の理性と、ツンデレの挑発
「ムクムク……」
久我は心の中で呻いた。水泳の授業中、彼の視線は女子生徒たちの水着に縫い付けられていた。濡れた生地に張り付いた彼女たちの肢体は、制服の下に隠された禁断のラインを、生々しく、鮮烈に浮かび上がらせていた。教師としての理性が「変態だぞ!」と悲鳴を上げる傍らで、本能は警報を無視し、抑えきれない熱を掻き立てる。
そんな久我の様子を見て、生徒の黒瀬遥(くろせはるか)が近づいてきた。ツインテールの下に隠しきれない、ツンデレな美少女だ。
「先生、顔が真っ赤ですけど。まさか、プール見て興奮しすぎて、体が動かないんですか? キモイんですけど」
遥は侮蔑の目を向け、久我の股間を意図的にちらりと見た。
「違う!ちょっと暑いだけだ…」
久我は必死に声を絞り出す。遥はフンと鼻を鳴らし、さらに挑発的な笑みを深めた。
「でも、どうせ童貞の先生じゃ、うまく見分けもできないんでしょ? 想像だけで満足なんでしょ?」
久我は言葉を失った。すると遥は、いたずらっぽい笑みを浮かべたまま、久我に白いブラジャーを差し出した。
「先生、ブラジャー落ちてましたよ。私のではないですけど」
久我は驚きながらそれを受け取る。彼の「サイコメトリー」能力は、女性の胸を直接揉み込むことでしか、持ち主の記憶を読み取れない。物からは何も感じない。
「…これ、どうすればいいんだ?」
「さあ?私のじゃないんで知りませんよ」
遥はそう言うと、間髪入れずに久我の手を掴み、彼女の豊かな胸をそこに押し当ててきた。水着の薄い生地の上からでも、Dカップの柔らかな肉の塊が、久我の指先にねっとりと食い込む。
「ほら、触っていいですよ。このブラジャー、私のかどうか、しっかり比べてみてください」
久我はあまりの事に、頭の中が白く燃え上がる。彼の内側では、能力を発動したいという強い衝動と、教師としての理性の最後の抵抗が激しくぶつかり合っていた。
「は、は?え?ちょ、おい…!」
「全く童貞ってこれだから困るわ、こんなに焦っちゃって。触るのも下手ね。もっとしっかり、グイッとこないかしら?」
遥は久我のパニックをあざ笑いながら囁く。久我は半ば強制される形で、彼女の熱を持った柔らかな胸に、そっと深く触れた。
「…!」
その瞬間、彼の脳裏に、遥の断片的な過去の記憶が流れ込んできた。それは、幼い頃に大切にしていた人形が壊れ、悲しみに暮れる遥の姿だった。そして、その記憶の奥底には、「一人ぼっちは、いやだ」という、幼い少女の切なく、濡れたような心の声が響いていた。
久我は、ブラジャーの記憶ではないことを確信し、驚愕と共にすぐに手を離した。
「な、なんだよ…」
「ま、いいや。先生が童貞だってわかったから」
遥は久我のパニックをあざ笑うようにニヤリと笑うと、目線を股間に落とし、久我を値踏みするかのようにじっくりと、水着の紐の辺りを見つめた。その視線だけで、久我の股間が、彼女の性的支配によって熱くなるのを感じた。
「でも、先生。その紐、興奮しすぎて緩んじゃってますよ。見てて、こっちが恥ずかしくなっちゃう」
遥はそう囁くと、久我の拒否を許さない、絶対的な優越感を湛えた笑みを浮かべ、ゆっくりと水着の紐に手を伸ばした。久我は教師の威厳も忘れ、その背徳的な行為を止めることができない。彼女の指先が、水着の最も男の動揺が集中する場所に、僅かに触れる。
「全く、先生ったら大人なのに手がかかるわね。自分の紐すら結べないなんて、私よりずっと子供みたい」
遥の指が、股間近くの水着の紐を、まるで愛撫するかのようにゆっくりと扱い、完璧に結び直した。その行為は、久我の性的動揺を優越感を持って支配するための、最も残酷で甘美な屈辱だった。紐が結び直されるたびに、久我の理性がきりきりと締め付けられ、遥に全てを手玉に取られたことを悟る。
「これで良しと。で、変態童貞教師さん。どうでした?私の胸」
「…ああ、その…」
「ま、いいや。先生が童貞だってわかったから。でも、先生…今のことは、絶対に誰にも言わないでくださいね」
遥はそう言い捨て、久我に背を向け、プールへと誘うように飛び込んだ。
遥はプールサイドに上がり、こっそりと制服のポケットからスマートフォンを取り出した。彼女は画面に「OK」とだけ入力し、誰かに送信した。メッセージには特別な意味はなかった。ただ、彼女の役割が、この一連の流れを「誰か」に見せ、報告する、秘密の合図だった。
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