第6話 新戦力、ついに配属!

今日は、我らの班編成の日だ。

クラリッサ先生が、始めようとしている。


先生は私たちを一瞥し、読み上げ始めた。


「第一班は、影ヒカル、桜キツネ、そして太陽ミキオです」


桜はまるで宝くじに当たったかのように手を挙げた。


「やったー!ヒラくんと同じ班だ!」


消えたくなった。


ミキオはただ静かに手を挙げ、黄金の炎が弾けると、彼の上に文字が浮かんだ――


『了解』


まあ、喜びで飛び跳ねてはいなかっただけマシか。


クラリッサ先生は続ける。


「第二班は、青空ミカサ、藤カネ、そして星野タリアです」


藤は椅子に深くもたれ、得意げな笑みを浮かべる。

ミカサは席で縮こまり、タリアは腕を組み、指先に小さく炎を灯した。


「第三班は、ジャクソン・チ、三日月ユキ、三日月スキです」


双子は揃ってにやりと笑い、ジャクソンはため息をつき、血の話でもしているのか小さく呟いた。


クラリッサ先生は書類から顔を上げ、満足げに言った。


「これが皆さんの班です。それぞれの能力のバランスを考えて編成しました。この時間の間に班の仲間と話し合い、班名を決め、リーダーを決めてください」


教室は瞬く間に声でざわついた。


私はため息をつき、自分の“班”を見やった。


桜は前のめりになり、目を輝かせて言う。


「ねえ!ヒラくん!私たち同じ班だよ!運命じゃない?」


「違う」と私は淡々と返す。


桜は無視して続ける。


「班名はどうしよう?かっこいいの!…影狐とか!それとも桜の花?うーん、チーム桜!これ完璧でしょ?」


「…ダメだ」


ミキオは落ち着いて、空中に文字を描いた――


『災害』


少なくとも誰かが理解してくれた。


桜は口を尖らせる。


「二人ともつまんない!じゃあ、もっといいの考える!…サンシャインハーツ!」


「…本気か?」と私は言う。


ミキオは文字を消し、次の文字を浮かべた――


『やめてくれ』


私は椅子に深くもたれ、こめかみを押さえた。

拷問かこれは。


それでも、班に入ることで妙な不安が心に芽生えた。

他人に頼ること。頼られること。

それは自分のやり方じゃない。


しかし、クラリッサ先生の声が頭に響く。

バランス。成長。


机の下で拳を握る。

どうでもいい。どの班でも、自分のやり方でやるだけだ。


とはいえ、桜は五分間、喋りっぱなしだった。

五分。


「チーム桜…いや、ありきたりすぎる。狐火は?いや、影の心!いや、ヒラサク班はどう?!すごくない?」


私は机に額を押し付け、鈍い音を立てた。


「今日一日で死ぬかも…」


ミキオは手を上げ、黄金の炎で文字を浮かべた――


『誰か黙らせろ』


私は指を立て賛同した。


「やっと意見が合ったな」


「ええ!こんな意地悪しないでよ!」桜は頬を膨らませ、私たちを睨んだ。

突然、机に手を叩きつける。


「じゃあ、まずリーダー決める!当然、私でしょ」


「ダメ」


ミキオは即座に文字を浮かべた――


『同意。ダメ』


桜は一瞬凍りつき、頭を振った。


「じゃあ…ヒラくんでいい!ヒラくんがリーダー!」


私は頭を上げた。


「はあ?」


「そう!ヒラくんは経験ある!かっこいい!謎めいてる!戦いを率いてくれる!」


私は呆れた顔で言う。


「リーダーなんてどうでもいい」


「だからこそリーダーにふさわしいの!」


ミキオ、完璧なタイミングで文字を浮かべる――


『正しい』


桜は止まらない。


「ねえ、ミキオ!私がリーダーじゃダメ?だって班名は“サンシャインハーツ”にするんだよ?」


ミキオは手の炎をちらつかせながら、ゆっくりと文字を描いた――


『影、導け』


「…裏切り者」と私は呟く。


桜は手を叩き、勝利の笑み。


「決定!リーダーはヒラくん!」


「投票権は?」と私は平然と聞く。


「ないよ」と桜は甘く言う。

「二対一。民主主義」


私はため息をつき、椅子に沈む。


「いいよ。どうでも。でも全部めちゃくちゃになったら泣きつくなよ」


桜はニッコリ笑う。


「約束!」


----------------------------------- ------------------------------------------

作者の言葉(ヒカル)


というわけで、俺は「ゼロ班」のリーダーに巻き込まれた。

どうしてこうなったかは聞かないでくれ。承諾した覚えはない。引きずり込まれただけだ。

桜は運命だと思っているし、ミキオは災害だと思っている。正直、どっちも正しいと思う。


クラリッサ先生は信頼とチームワークについて、まるで聖典のように説教してくる。

普通の人間には効くのかもしれないな。

俺?頼らない。頼られることも、なるべく避ける。


…とはいえ、明日から実技訓練だ。嫌な予感しかしない。

リーダーやったことを後悔するかもしれないし、そうでもないかもしれない。

どっちにしても、ゼロ班は間違いなく準備不足な何かに突っ込むことになる。


…あ、それと一応言っておけってさ:コメント残してくれ、気に入ったら「いいね」して、パワーストーンを落としてコレクションに加えてくれ。

ところで、クラスFの感想はどうだ?

なぜ聞くかは俺に聞くな。ルールは俺が作ったわけじゃない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る