3-2
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朝起きると、
朝食を終えるといそいそと
「料理長、ちょっと相談があるのだけれど、今
いつも食事をありがとうと感謝を伝えつつ、先日気付いた『ソース問題』を伝えると、食に興味の
「今日は、ソースを食べるための食事にしてみたいのですが」
「ソースを食べるための、ですか?」
料理長が興味を示してくれたので、説明を続けます。
ステーキなどは提供される時点で、既にソースが
何も掛けられていないステーキ肉をお皿に盛り、ディップ用の小さなココット皿に様々なソースを入れて出す。
これだと、色々と
「なるほど……ココット皿にですな」
「ええ。レオン様にもっと食事を楽しんでほしいんです」
食事は生きるために必要で、栄養さえ取っていれば大丈夫なのでしょうが『
「おかえりなさいませ」
「ん、ただいま」
夕方お仕事から
お
「昨晩はすまなかったな」
「へ? 何がでしょうか?」
「
「ほわっ……ちょっ………………じっ、侍女に聞こえますっ!」
私たちの後ろには侍女がついていますし、なんなら
「ん?
「そっ、それはそうなのですが……」
「それから、朝の狩りに行かせてやれなかった。本当にすまない」
何やら深刻な声で謝られてしまいました。それは、行けるなら行きたかったですけど。日課と言えど、毎日行くというわけではないのですよね。
「朝方、ずっとうなされていてな」
「へ?」
「クラウディア」
「はい?」
レオン様がピタリと足を止めたので、
「明日はともに狩りに行かないか?」
「っ! はい! ぜひっ!」
あまりにも
レオン様のお着替えが済んで一緒に食堂へ向かっていたのですが、狩りに誘っていただいたことが嬉しすぎて鼻歌が
レオン様が
レオン様と明日の狩りについて相談しながら食事を進めていきました。
先日の狩り場より少し奥へ行くと、生息するものがガラリと変わるのは調査済みです。あとはレオン様が『行ってもいい』と言ってくだされば……。
期待を
「クラウディア、普通の野生動物と
「はい! 命に代えても、その命令に従いますわ!」
「いや、まあ、そうなんだが……全力感が
レオン様が困ったようにクスクスと笑われていたのですが、何が
「お待たせいたしました」
あ、お肉が届きました。この話は
「ん? ステーキか……何も掛かっていないが?」
「はい、塩
焼き加減はミディアムレアに指定させていただきました。ちなみにレオン様の好みは、料理長にも分からないそうです。なので、私好みに染めようと思います。そもそも、今回はソースの好みの
「これは?」
「ステーキソースですわ」
レオン様がキョトーンとしていますね。そんなお顔が
「ステーキを一口大に切りましたら、ココット皿のソースに
「なるほど! 面白そうだ」
レオン様がステーキを切り、
「んむ……うん。
「そうですねぇ。
その隣は、いつものイチジクソース。うさぎ肉に掛けるのは好きだったようですが、牛肉にはいまいちだったようです。
その次は、オレンジソース。思っていたよりも美味しいとのことでした。
その次は、チョコレートソース。名前を聞くと甘いのかと思いがちですが、バルサミコ
「んっ!? 美味い! 鼻から
急に
次は、フルーツソースです。りんごやオレンジ、玉ねぎを使い、モルトビネガーでしっかりと味付けされています。
「ん? ほぉ。普通に美味いな。なんというか、普通だ」
そして最後は赤ワインソースです。肉を焼いたあとの
「ふむ……これも普通だな。ただ、さっきのものよりはこちらの方が好きだな」
「うふふ。多様なお味を楽しんでいただけました? 念のためおかわり用のお肉も
「ん! 食べる!」
レオン様がキラキラとした
どうやら今回の目的は達成できたようで、私も自然と笑顔になりました。
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