7/0 再開
俺は砂浜の上で目が覚めた、後ろにはまだ燃えている飛行機、そう、俺は飛行機事故に巻き込まれて、それで...
俺「どうして...俺は死んだはずなのに、なんで」
『俺は、またこの場所に、いるんだ...?』
「一日目」
昨日の夜、確かに彼はゴーグル野郎に首を落とされ殺された、確実に。
なのに、首はつながっているし、服に血もついていない。
そしてなにより、この辺で取ったヤシの実がまたついている。
一日立ってまた生えてくるほど早い成長を遂げるような植物ではないはずと
思考を巡らせ、彼がたどり着いた結論は
俺「まさか、死に戻りってやつか...?」
(その検証をするためには、デジタル時計の日付機能でも欲しいところだが、あいにくここは無人島...いや、少なくともあのゴーグル野郎がいるから無人島ではないな
でもとにかく、そんなものが都合よくあるわけもない)
「...これが死に戻りかどうか検証するかはおいておいて、あのゴーグル野郎を対処することのほうが先決か」
彼は銃のある場所を思い出した、あの銃ならこちらから近づかずとも対処が可能になる
俺「相手も俺を殺す気なら、こ...こっちだって覚悟を決めなきゃな
あれさえ乗り越えれば、救助が来てくれるんだ...」
視線を感じる...崖の上の森からだ、彼もそちらに視線を向ける
俺「っ...まだ銃も持っていないのに」
ゴーグル野郎の素早さは目で追えなかった、向こうがその気になれば彼は終わる
しかし、なぜか襲ってこない、ゴーグルを手で覆い隠して、どこかへ去っていった
俺「...?何が起こった?」
前回、ここのあたりで感じ取った視線はおそらくあいつのもの、しかし、前回も今回も襲っては来なかった、一体なぜだろうか考えるが、頭が回らない、
俺「とりあえず、あの焚き火のところまで行ってみよう、それで森に入って銃手に入れよう」
前回と同じ道筋を通って、焚き火のところへ行き、そこから銃がおいてあるパラシュートの引っかかった木のところへ向かう
しかし
俺「...あれ、物の内容が違う...」
水の入ったボトルが落ちていて、この島の地図らしき紙が木に引っかかっている
しかしこれはありがたい、
俺「ふーん、ここって軍事島なんだな、銃があるのも納得か...」
今いる場所はかなり広い森林地帯で、島の東側はこの森か海岸しかない、
森を北側に抜けると山々が連なっている、かなり大きな洞窟があるという情報も書いてあり、洞窟の中にはなにかの施設もあるっぽく書いてあるが、詳しいことはわからない
そしてこの森を西の方へ抜けていくと川があり、その先は平地で、だいたいは軍事基地となっている、そして島のさらに西側には、この島より小さい3つの島があるようだ、
島の北側、俺が最初に目覚めた海岸側は、灯台や小さな小屋、船着き場があるようだ
俺「川を渡って基地に行ってみよう、誰かいるかも知れないしな!」
ボトルと地図を握りしめて、さっき地図で見た西側の川、基地方面へ向かう
何十分と同じ方向に歩いても森を抜けられない、だいぶ疲れてきたし、日も少しずつ傾いてきた
俺「ちょっとまずいな...こんな状態で夜になったら、方向感覚も失って彷徨うことになりそうだ...」
茂みが多く歩きづらいところをずっとかき分け歩いてきた、体力の減少がすさまじい、もうボトルの水は少なくなっている
俺「それにしても...奇妙なほどに静かな森...虫も鳥も見かけない、風で葉が揺れる音程度しか聞こえないな...」
何かがおかしい、こんなにも茂が多くて、整備されていないことは明らかなのに、動物も、鳥も、虫一匹すら見当たらない
俺「しかし、もう日が落ちかけているな...仕方ない、適当にここで休むとしよう」
茂みを使って中に空洞のある簡易的なテントを作った、これならヤツから身を隠す事もできるし、襲われる確率は少なくなっただろう、
俺「...こんなに森が広いなんて...この地図じゃ大した事ない大きさだと思ったんだけどな、この島自体がかなり大きいみたいだ...」
明日、戻るか進むかの選択をしよう、もしかしたら、明日焚き火のところに戻れば救助が来ているかもしれないから
俺「あいつに見つからないか不安だなぁ...でも近くを通れば音が鳴るはずだよな、ここは茂みだらけだし」
少し不安をつのらせながら、眠くなってくるまで待つ
ものすごく静かで暗い、それが逆に怖いし、不安になる
俺は恐怖で早く寝ようと横になった、
物音がして、目を覚ました
俺「...嘘だろ...」
眼の前にいるのは、俺を殺したあのゴーグル野郎、周りの茂みは切り開かれ、俺の足が...ない
俺「ゔぁぁぁぁぁぁぁ!!」
見るまで気が付かなかった、切られていることにすら...そしてやつの爪は、脳天に突き刺され...首と胴体は引き剥がされて泣き別れになった
最後の記憶にこべりついたのは、ニタニタと笑みを浮かべるゴーグル野郎の姿だった
END 7/0
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます