異世界転生したら古代日本で最強鍛冶師だった件 ~仏像作ったら物部氏にバレて詰んだ~

須藤

プロローグ:俺の名は眞鐵、古代最強の鍛冶スキル持ちだ

「うわっ、また注文かよ……」

 俺、眞鐵まがねは、物部氏もののべしお抱えの鍛冶師だ。年齢は二十五。ステータス的には【鍛冶LV.98】【鍍金ときんLV.MAX】【神器製作LV.87】ってとこ。まあ、大和国内でトップ5には入る腕前だと自負してる。

 俺の工房は河内かわちの山奥。周りは森で、最寄りの集落まで徒歩一時間。典型的な職人の隠れ家って感じ。

「師匠ー、また物部様から鏡の注文です! 納期は三日!」

「無理ゲーじゃねえか!」

 弟子のタケマロ(仮名)が注文書を持ってくる。見れば【神聖鏡×5】【鉄製榊×10】【祭祀用鈴×20】とか書いてある。

 ちなみに物部氏ってのは、この時代最強の軍事氏族。古神道ガチ勢で、「異国の神とか認めねえから」って感じの超保守派。俺はそこの専属職人なんだけど……。

「つーか、最近やたら注文多くね?」

蘇我氏そがしとの関係が悪化してるらしいですよ。仏教とかいう新興宗教を推してるとかで」

「あー、はいはい。宗教戦争ね。政治とか興味ないんだけど」

 俺は火床に石炭を放り込んだ。

 ぶっちゃけ、俺にとって神様とか仏様とかどうでもいい。大事なのは技術だけ。良いもの作って、金もらって、飯食って寝る。それが職人ってもんだろ?

 ……そう思ってた。あの依頼が来るまでは。

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