第25話 初めての推理
「きっと問題は犯行を実行した賊が誰か? ってことだけじゃないのよ」
「どういうこと? それよりも人殺しの賊って誰なのよ!」
応接の間は暫しの静寂に包まれる。
「そ、そんなこと信じられないわ。だって未だ少年と言ってもいい歳よ! もちろん
「証拠なんて無いわ。だけど特定ならできるの。
「きっと、
「どうして
そこまで言われると、どうして気が付かなかったのかが気になりだす。
「きっと、二輪車馬は視界が前方に限られるのよ。それに何かが有れば、陳
「わたしも帰りの旅程で義侠団の皆の名前まではさすがに覚えてないけど、二週間もあれば顔と性格くらいは知ってるわ。二週間の旅程の間には宿にも泊ったはずだし、野営も一度や二度のことではなかったはずよ。そして彼は言ってたわよね、『若手は人一倍働かなければ認めてもらえない』って。
「言われてみれば。他にも顔も名前だって覚えてる人は全員とまでいかないけど、結構いっぱいいるわ」
「二週間と言えば、それくらいの時間なのよ。その覚えてる団員の中に彼はいないのよね。それじゃあ一体、いつから彼は義侠団になったのかしらね?」
「どうなっているの? 彼は、彼は一体何者なの……」
「これはあくまで一番可能性の高い推測。だけど、きっと真実なんだわ。彼は……張
「
「首謀者って、やっぱり
その問いに大きく頭を振り答える。
「
「つまり、あの時の二度目の襲撃は別の勢力が関わってるのね。そして張
その声は次第に絞り出すように発して、卓の上には大粒の涙が雫になって落ちる。
「きっと、あの深夜の襲撃は張
パチンッ!
口元に当てていた
その音に驚いた
「それなのに
「それは
「きっと
「どうして? 実際に母屋の家人は犠牲になってるのよ」
「わたしはあの深夜の襲撃の後で、亡くなった義侠団の
「潜入が成功したことを知って、暗殺の対象をより重要な孫
「きっと違うわね。昨夜の惨劇の場所は母屋でも
「それじゃあ、お宝目当てにこれからも
「分からないわ。動機にも確信が持てないの。ただ
それだけ言い終わると、
***
【用語註】
・間者:間諜を主任務とした者。スパイのこと。
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