第1話 江東の朝焼け
残暑厳しい季節には早朝から朝霧が立ち込め、辺りの静寂と共に幻想的な光景が広がる。
そんな
》を巻き上げて数十騎の一団が城門に向かって
城門との距離が詰まるにつれて、夜警の
騎乗の一団は各々が自前の革鎧を身に纏い、その肩越しに背負う
とりわけ先頭を
特に目を引くのは背に
大柄な
「我は孫
まだ城門からは遥かに距離があるにも拘らず、
更には騎乗の一団は各々片手に、真紅に『
まるで騎馬一団の頭上に、真紅の巨大な布が
その光景を目にした城門を統率する
騎乗の一団は城門の前でピタリと騎馬を停めると、先頭の
「無礼者! 我は孫
先に報告に出ていた
すると
重厚な城門が
開かれた城門からは幅広く固められた大路が、
「孫
陳
初秋の穏やかな風が朝霧を晴らし、柔らかな陽光が
その中でも
特に
「姫サマ、お起き下さいませ。旦那様からの
妙齢の
「
「今日ばかりは、そうはいきません!」
その弾みで
「痛ったたたたた。
「本日は急な特使が参られているのです。旦那様も
「直ぐに
次々と侍女たちが集まり、
やがて髪は両側をお団子に結い上げられ、紅玉付きの銀の
それでも正装に身を包むと、それなりの姫君に見えるから不思議なものである。
それは名家の跡取りとしての教え、立ち居振る舞いの
化粧の類いは、あくまで控えめに品よく整えている。
「それでは参りましょうか」
向かう先は
「ふあぁあ……」
***
【人名註】
・孫策:字は「伯符」。孫堅と呉太妃の長男。孫堅戦没後、若くして家督を継ぐ。
・陳
【用語註】
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【イラスト】
・朱 紅紅(フォンフォン):https://kakuyomu.jp/users/souji-syokunin/news/822139837251364399
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