私の推しは、私のスマホの中にだけ存在する。
- ★★★ Excellent!!!
これまでの芸術文化は、
老若男女、誰もが知っていて崇められる存在であった。
その常識が崩壊。
他人は知らなくて当然の、私だけのために創造された推し。
世界人口の数だけオリジナルな推しがいて、
そんな極パーソナルな存在は、芸術文化として成り立つのだろうか。
誰も知らない作品は、評価を受けることも無く、
歴史の中に残っていくことも無い。
人類の芸術文化の崩壊。
作中では2042年の出来事であるが、
もっと早く訪れる予感もする。
それでも、予言書とならないことを祈る。