前のエピソード――第2話　プロローグ2女神と未来

未来が目を覚ますと、彼女は広い草原に立っていた。レイリアはその隣に立ち、優しく説明を始めた。

「ここがあなたの新しい世界よ。ファンタジーのような場所で、魔法や怪物が存在するわ」

「本当に異世界なのね…」

「そうよ。この世界ではあなたはアストリア王国の有力貴族、アルスランド公爵令嬢として生まれ変わったの。名前はミラ・アルスランドよ」

「ミラ・アルスランド…」

「あなたはこれから、貴族としての生活を送ることになるわ。冒険者にはならないけれど、国家的な危機が訪れたときには、あなたの力が必要になるレイリアは未来にチート能力の詳細を伝えた。

「あなたには驚異的な身体能力や知識。そして魔法の才能が与えられているわ。でも、その力を隠しながら平穏な生活を送ることが重要なの。あまりに目立ちすぎると、この世界の権力者や敵対勢力に狙われる可能性があるから」

未来はレイリアの話を真剣に聞きながら、新しい生活への期待と不安が入り混じっていた。

「分かりました。やってみます」

レイリアは微笑み、未来の肩に手を置いた。

「大丈夫、あなたならきっとできるわ。そして、もし困ったことがあれば、私はいつでもあなたを見守っているから」

「プライバシーの侵害はやめてください。困ったことがあったら、私の方からお願いしますから、コンプライアンスと個人情報は保護させてください」

と未来はレイリアに対して言った。レイリアは少し困った表情を浮かべながらも理解を示した。

「わかったわ。未来さん。私もあなたのプライバシーを尊重します」とレイリアは笑顔で答えた。

その言葉に勇気づけられた未来は、希望と決意を胸に、新たな世界での生活を始める準備を整えた。

「新しい命、新しい世界…」未来は自分の胸の中で希望と決意が湧き上がるのを感じながら、異世界での冒険に心を躍らせた。しかし、未来も知らなかった事実があった。宇宙人ゼクスと女神レイリアが互いに彼女にチート能力を与えたことは、予想外の出来事だった。二人は異なる次元の存在であり、お互いの存在を認識できないため、それぞれが未来に力を授けることを決めたのだ。

この二重の力を持つことになった未来は、思いもよらぬ運命に導かれていくことになるのだった。