第3話 ドラマー、菊地哲

さて、本日の議題は嵐のドラマーこと菊地キャサリン哲氏である。

いかつい顔に芸人の魂を持ち、熊の体躯に小鳥の心を併せ持つ偉大な男である。


ところで当学会調べによると、日本最高のドラマーはX JAPANのヨシキ氏である。

他にもBUCK-TICKのヤガミトール氏、LUNA SEAの真矢氏、L'Arc〜en〜Cielのユキヒロ氏、GLAYのドラムをサポートするトシ永井氏。枚挙に暇がない。


そんな強者達と比べて哲氏を批評などできるはずがない。みんな凄腕すぎていかに当学会の力をもってしても比較することなどできないのだ。


もちろん哲氏が素晴らしいドラマーであることは疑いない。舞い踊るように軽やかに、それでいて力強くドラムを叩く男である。

手数の速さ、オカズの多彩さ。それが聴いている側まで踊り出したくなるリズムとグルーブを生み出すのだ。


さて、前述したように哲氏と瀧川一郎氏は44MAGNAUMを通して知り合った。

哲氏は44MAGNUMのドラム、宮脇JOE知史氏の弟子であり、一郎氏はギター広瀬JIMMYさとし氏の弟子であったのだ。

ちなみにレッチリのチャド氏とも親交があるらしい。しかもデザイナーまでこなす多才ぶり! 作曲のセンスといいクリエイティブな男である。


そんな哲氏も一郎氏同様高校を入学間もなく退学になったらしい。理由はケンカ、ロックな生き様である。


そしてバンドの道をひた走ることになる。

元X タイジ氏と同時期に在籍していたデッドワイヤーを経てサーベルタイガーへ加入!

前述のボーカル磯野kyo宏氏、ギター松本HIDE秀人氏と出会いライブを重ねる! そして横須賀を拠点に人気を博すことになるのだが……

哲氏はバンドの方向性に違和感を覚え脱退。


やがて横須賀サーベルタイガーと名を変えたそのバンドも解散。


哲氏はまた別のバンド、メフィストフェレスを経て、ついにD'erlanger加入へと至ったのである。


ボーカル:kyoこと磯野宏

ギター:CIPHERこと瀧川一郎

ベース:SEELAこと中尾朋宏

ドラム:Tetsuこと菊地哲


快進撃の始まりである。

まさに薔薇色の人生だったのだろう。

瀧川氏と中尾氏が中心となり結成されたD'erlangerであるが、4人の息はピッタリ。次々とヒットを飛ばすことになる。


余談だが、ボーカルの磯野氏は年の離れた妹さんが友達に『お前の兄ちゃんライオン丸〜』とバカにされていたのが、D'erlangerのブレイクにより一気に改善されたらしい。妹さんも友達にサインをねだられることが満更でもなかったとか。


そんな日々が約7年。

そしてD'erlangerは解散。



それからの哲氏は様々なバンドに加入しては抜ける日々を過ごす。



そんな時に加入したバンドにZi:killがある。


インディーズレーベル、あのエクスタシーレコードよりデビューを果たしたビジュアル系第1世代と言っていいバンドだ。詳しくはまた別の機会に語るとする。


そのZi:killだが、ドラムが定着しないバンドだった。最も長く務めたのはEBY氏であるが、ここにも現L'Arc〜en〜Cielのユキヒロ氏は登場する。


当学会員が最も哲氏の不在を悔やんだのは名曲『HERO』を叩く時だ。他のドラムが下手だなんてことはあり得ない。ただ、何かが違うのだ。哲氏の叩くHEROにしかないグルーブ感があるのだ。そこに彼のドラムの魅力、跳ねるような舞い踊るようなリズムを感じるのだ。


hero:名詞

意味:英雄、勇士

例:AU is the hero (AUは英雄です)


特にHEROのAメロを叩く時は哲氏のドラムであって欲しい。今でも、強くそう思っている。


そしてジキルを脱退。


ここで再びサイファーこと瀧川一郎氏と道が交錯する。


そう、前述したバンド、bodyの結成である。

(一夜限りのバンドSPYもあるがここではスルーする)

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