世界を救う気などない。狂気の勇者、異世界で始まる裏切りの戦記
@SlowAleen67
裏切りの召喚
バン!
空気がビリビリ震えた。
「ようこそ、英雄たち! 俺の世界へ!」
目を開けると、黄金の光がガツンと顔を刺した。
そこは玉座の間。
大理石の柱が天に伸びる。
壁は宝石でキラキラ輝いてる。
血みたいな赤い絨毯。
玉座まで続き、まるで赤い川が流れてる。
玉座には王冠の男。
両脇にピカピカの騎士と怪しい魔法使い。
まるでRPGのラスボス部屋だ!
「な、なんだこれ…?」
誰かがガタガタ震えながら呟いた。
振り返ると、知った顔ばかり。
クラスメイト。先生たち。
みんなくそ焦ってる。
震える奴。
隣の手をギュッと握る奴。
しまいには泣き出す奴まで!
情けねえ!
その瞬間、頭に言葉がバチッと閃いた。
異世界への召喚。
普通の奴ならビビって死にそう。
でも、俺は違う。
自分の手を見る。
震えてる。
でも、怖くねえ。
…興奮だ。
胸の奥で何かがドクドク脈打つ。
突然、笑いが爆発した。
「クッ…ハハハハ!」
全員が俺をガン見。
「ちょ、ナギ! 何やってんだよ!?」
ニヤリと笑ってやった。
「お前ら、まだわかってねえの?
これ…俺の楽園だぜ!」
その瞬間、目の前にバチッと画面が光る。
【ステータス・ウィンドウ オープン】
名前。クラス。スキル。
そこには…
【ユニークスキル:破壊の衝動】
ゾクゾクッときた。
怖えんじゃねえ。
「ちょ、俺のレベル1って何!? 弱すぎだろ!」
「見て! 俺、クラスが『英雄』だって!」
「え、俺…『農民』!? マジふざけんなよ!」
あたり一面、叫び声と悲鳴。
でも、俺は拳を握りしめた。
(これだ…俺のチャンス。
誰も俺を止められねえ舞台だ。)
胸の奥で、昔の裏切りがチクチク刺す。
母さんの罵声。あいつの冷たい目。
全部、俺を潰した世界のせいだ。
「この世界…俺がぶち壊してやるよ。」
その時、王冠の男の声がドンと響いた。
「召喚者たちよ! この王国を救うのだ!」
ざわめきがホールに広がった。
「『救う』って?」
「なんでだよ?」
「ふざけんなって!」
俺はフンと鼻で笑った。
(救う? ハッ、笑わせんなよ…)
俺の決意はもう固まってる。
この世界を救う?
そんなわけねえ。
俺はこいつをぶっ壊す。
その瞬間、玉座の裏から闇が這い出てきた。
全員、息を呑んで黙った。
闇の中から、でかい化け物がヌッと現れた。
牙、爪、血みたいな赤い目。
そいつがホールに覆いかぶさる。
空気がズシンと重くなった。
「な、なんだよそれ…」
誰かがガラガラ声で呟いた。
その時、俺たちは悟った。
この召喚、救うためじゃねえ。
地獄の始まりだ。
続く…
後書き
最後まで読んでくれてありがとう!
感想、評価、ブクマ。
どれか一つでももらえたら…
作者、めっちゃ喜ぶぜ!
今後の展開、もっと気合入れるよ。
ぜひ応援、よろしくな!
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