靴の向きが語る真実②

留美はふと気づいた。

「・・・待って。この靴、サイズが大きすぎる!被害者は26センチ、小暮さんも、八木田さんも26。だけど、これは27.5センチ。誰か別の人の靴だわ!」

禿山は驚いた表情で留美を見ていたが、やがて、一人の人物に目を向けて、こう言った。

「27.5・・・中川さん、あんたの靴のサイズは?」

「っ・・・!!!」

「つまり、あなたの靴のサイズは、あなたの靴のサイズだということだ」

「凡さんは全然見てなかったけど、結果的に核心ついちゃったぁぁぁぁ!!」



「・・・確かに私がやりました。私は三宅に借金をしていました。あの日、あいつは私を脅してきた。だから、あいつが帰ったあと、部屋に忍び込んで・・・!」

「動機も完全に一致だな」

「つまり―犯人は、犯行を行った人物だった」

「最後まで当たり前のことしか言わなかったね!?」


こうして、凡間凡は事件を解決した(?)。

彼の迷言は、今日も助手の頭痛の引き金になっているようだ。



凡間の一言メモ

・犯人は、犯行を行った人物である

・靴は履くものである

・違いますは、違わないかもしれない

                           (凡間の事件簿① 完)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る