18話「イベントを直前に控えて」

「なんかすごく久々に会うような気がする~!」

「なんだかんだお互いにリアルの都合で、絶妙に嚙み合わなかったもんね」


 イベントが前日に迫った数日後、リアはようやくアミとレグルスタードの街で、合流することが出来た。

 リアと亜実がそれぞれ違うバイトをしていて、ログインが嚙み合わなかったりしていたためである。

 以前言っていたように、アミは装備を購入したようで、いかにもしっかりとしたローブになっている。


【アミ】 【♀】 回復師Lv38


【武器】サテュロススタッフ 【盾】ー

【頭】アイアコスハット

【体上】アイアコスローブ上

【体下】アイアコスローブ下

【腕】アイアコスローブ

【足】アイアコスブーツ

【アクセサリー1】減毒ミサンガ

【アクセサリー2】エメラルドピアス

【アクセサリー3】修道女の指輪


【スキル】ヒールⅠ・Ⅱ・Ⅲ、サンフラッシュ、クレール、癒やしの聖域、パライズ、セイクリッドフレア、スペルガード、バイオ


【HP86/86】 【MP74/74】

【STR 25〈+9〉】

【VIT 43〈+68〉】

【AGI 23】

【DEX 20】

【INT 57〈+60〉】



「すごく強くなったね!」

「リアがあれだけゴールド集めてくれたおかげ。フリーマーケットで一番高い装備買っちゃった!」

「VITの上がり方もすごいけど、INTがすごく上がってるのは何で?」

「このアイアコスシリーズで揃えると、INT+60とセイクリッドフレアっていう光呪文を覚えたよ!」

「ほ~、そんな効果があるのね!」


 装備を全部シリーズで統一すれば、更なる追加効果や特技を覚えることが出来るらしい。


「ただ、各パーツごとにえげつない値段が付いてるから、誰も統一で着けてる人、見たことないかも……」

「私も見たことない。ヒーラーの人たちたくさん見てきたけど、そんな装備初めて見たもん」

「だよね。一パーツでも装備出来てたら、めちゃくちゃすごいってレベルだもん……」


 アミから聞く限り、裁縫などで作れるらしいが、素材が入手困難な上に、作製成功率が低すぎるらしい。

 アミが買ったのも、正直買われることは想定しておらず、フリマを通して「俺は作ることが出来たぞ」って言う見せびらかしだったのでは?という話をしている。

 こうして話をしているだけで、周りから「アイアコス全部着てるぞ……」と、ざわざわと噂され始めた。


「トップランカーの仲間入りじゃん!」

「全部リアのおかげだよ? あれだけ素材集めてくれたんだから」

「あ、素材で思い出した。またここ数日で素材を集めたんだ! 受け取って!」


 素材の話になって、これまで雪原などで集めたアイテムのことを思いだしたリアは、アミに収集したアイテムを渡した。

 すっかりおなじみになったリアの袋からアミの袋へと、大量のアイテムが流れ込む様子を、見守る。


「ちょ、ちょっと待って! 何か知らないアイテムが何個もあるけど!?」

「あー、コピー特技探すために、ここ数日下層から行ける雪の洞窟に籠っててさ。そこらへんで集めたアイテムがいっぱいあるからね~」

「あ、あそこ行ってたの?」

「うん。何なら、雪の洞窟も超えちゃって雪原に出たんだけど、ベヒーモスとかサイクロプスとかもいたよ~」

「そ、そんな情報どこにもなかったけど、どこまで行ったの……?」

「そこで拾った雪の結晶とか、氷柱とか絶対に高いだろうなって思ってるよ!」


 ひたすらドン引きするアミに、リアはこれまであったことを話した。


「も、もしかしてそんなところに居るユニークモンスターにあったり、した?」

「え、もちろん! 銀色の竜が居たよ!」

「……まさか、コピーした?」

「運よく出来たよ!」

「……噓でしょ~。ってか、あのデカいガイコツの特技の調査も止めないって言ってなかった?」

「うん。もう一つもコピーできたよ」

「……絶対にリア、とんでもないことになってるでしょ」

「うーん、どうなんだろ。雪の洞窟に出るサハギンとか、オークとかミミズなら、一撃で倒せるよ~! アイテムの鋭いヒレは、サハギンから奪ったアイテムだよ!」

「ほら、おかしいじゃん! あのモンスターたち、まだ誰も倒せないって言ってるよ?」

「そうなんだ! なら、明日のイベント運が良ければ、10連勝出来ちゃうかな!?」

「多分、運とか関係なく10連勝するだろうね……。何なら、当たっちゃった相手の運が悪いと思う……」


 こういうゲーム慣れているアミからお墨付きをもらったので、リアはさらにイベントが楽しみになってきた。


「そう言えば、リアまだ初期装備じゃん。装備買わなくていいの?」

「うーん、別にいいかな。装備も気にしだしたら、明日に間に合わないような気がしてきたし」

「そっか。まぁ初期装備で勝てるでしょ。まぁ……初期装備で10連勝するするプレイヤー何て、おそらくどこにもいないだろうけどね」

「本当!? じゃあ、それ目指す!」


 リアの様子を見て、アミは内心「とんでもないことになりそう」だと、思ってしまった。

 果たして明日のイベントは、一体どのような結果になるのだろうか。


 【リア】 【♀】 盗賊Lv30


【武器】木のナイフ 【盾】装備無し

【頭】布のターバン

【体上】布の服

【体下】布のパンツ

【腕】皮の手袋

【足】皮のブーツ

【アクセサリー1】装備無し

【アクセサリー2】装備無し

【アクセサリー3】装備無し


【スキル】盗む、初級落とし穴、煙幕、ハイパースティンガー、ライトエレキスロー

【コピーした特技】鬼火、イリュージョン・カウンター、ライトニング・チェイン、メテオ・ストライク、アイスマター、???


【HP 57/57】 【MP 17/17】

【STR 31〈+14〉】

【VIT 20〈+8〉】

【AGI 39】

【DEX 41】

【INT 11】

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