卒業旅行はサイクリングで【凝縮バージョン】

ムーゴット

第零話

莉奈りな

【小学校の卒業式の翌日、

あたし達クラスメイト仲良し6人は、サイクリングに出かけたんだ。】


※【この括り】は、主人公=莉奈りなの、声に出さない、心の中の独り言になります。


(リュックのファスナーを閉める音)ジュルルルル


(スニーカーを履く音)キュッ、キュッ


莉奈りな

「もう、出かける。いってきまーす!」


莉奈りなの母

莉奈りな、気をつけてね、いってらっしゃーい!」






莉奈りな

【楽しいサイクリングのはずだったのに。】






(踏切の音)カン、カン、カン、、、、


【男の子たち3人は、踏切で動けなくなったおばあさんを、

何とか外へ出そうと、もがいている。】


武佐士むさし

莉奈りなちゃん、ボタン押して!」

かすみちゃん、萌音もねちゃん、誰か大人を呼んで!」


女の子3人

「わかった!!」


莉奈りな

【ふたりは、踏切待ちの車に向かった。

あたしは非常ボタンの前へ。】

【パニックってこういうこと!?

頭がグルグルして、信じられないくらい声が大きくなるよ。】

「これって、押しちゃダメなのじゃないの!?」


武佐士むさし

「今は押す時!押せ!莉奈りな!」


莉奈りな

「か、かたい、押せない!」


武佐士むさし

莉奈りな!馬鹿ぢから出せぇ!」


莉奈りな

無理むりぃー!!か、ったぁ、いぃ!!」





武佐士むさし

雷人らいと!お前、押してきて!」


雷人らいと

「ダメだよ、3人がかりで、やっとおばあさん、支えているのに。」


孝太郎こうたろう

「いや、まず押した方がいい。僕が行く。」


武佐士むさし

孝太郎こうたろう!任せた!押せぇ!」


雷人らいと

「走れぇ!孝太郎こうたろう!」






莉奈りな

「かたいよ、無理ぃ、、、でも、

あたしが押さなきゃ、あたしが押さなきゃ、あたしが押さなきゃ、」

【こんな時こそ、AIに聞いてみよう。

アプリを開いて、、、】

「間に合わないよぉぉぉぉ。」

「みんなが死んじゃう、みんなが死んじゃう、みんなが死んじゃう、」





莉奈りな

【スマホをギュッと握り直して、ボタンに狙いを定めて。】

「いっけぇぇぇぇ!」


(スマホの打撃音)ガン


(ここまで、継続して踏切の音)カン、カン、カン、カン


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