第3話 謎を多く残して読者をひきつけるという話。
物語において読者を多く引き付ける事の出来る要素と言えば
作中における謎。だと言えるだろう。
読者からどうして? となぜ? を引き出す事が出来れば最適だと思われる。
多くの作品が作中における多くの謎を秘匿した状態でストーリーが続いていく事に対して、僕の作品は明確な答えをすぐに出してしまっている事がある。
意図があるのか仕掛けがあるのかは作家によって異なるが、僕個人としては作中の謎、作中の基盤となり得る設定。世界観、社会構成などに関してはある程度開示した上で物語を展開させたいという想いがある。
読者に「どうしてこれをしないの?」「どうしてやらないの?」という疑問を持たせない為である。これは問題が発生し解決に至るまでのプロセスを構築するうえで必要な事前準備であると僕は考えている。
現代社会において暴力で物事が解決しないのは、社会が存在していて政府があり、法律が整っているからである。
問題において「どうしてそれをしないの?」という読者の疑問や不満と言うものは、少なからずストレスに繋がると考えている。カタルシスと考えれば使い方もあるのだろうが、仕掛けが無ければただの引き延ばしとストレスに過ぎない。
僕個人の嗜好で言えば、作者しか知り得ない要素をいきなり出して物事が解決するという流れは、後出しじゃんけんみたいで、少しずるいと考えている。
伏線というか、あらかじめ読者に情報を開示した上で、後々の物語と繋がってくる。みたいな展開にしておかないと、
「主人公が急に不思議な力に目覚めて敵を倒した」
と同じ様に、稚拙な構成になってしまうのは明らかだろう。
読者をひきつける塩梅と云うのは非常に難しいと思う。
引き付ける為に出した謎が解決する前に読者が諦めてしまう。読むのをやめてしまう。というのは非常に多いと思われる。
無料で読める作品が溢れているネット小説の中で、いかにして読者を引き付けて離さないかは謎と駆け引きが重要でないかとは思っている。
塩梅って大事。
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