第五章
第五章 唯一の 安楽
ミアは 木製の 椅子に座ると ペタ……
床に足を投げた
暖かい 木の木目……
ここは 外の暑さと違って涼しい
「涼しいのね?」
「エアコンさ!」
「エ……ア……コ……ン」
そう!
涼しくしたり暖かくも出来るんだよ!考えついた人天才だろ?
こくこく……ミアはうなづいた
かべには長い針と短い針の 動く仕掛け
「珍しいの?あれは 時計!」
「時計?」細い針がひどく忙しそうにまわっている
そして
周りを見渡せば 照る紙に描かれたリョウ
そっくりね凄い!
「あ……これは写真」
「写真?」
そ……
ねえねぇ
タケシが 何やら抱えて走ってきた
あげりゅ
くれたのは 色とりどりの長方形の 物体で作った犬?
「これは?」
「ああ……タケシの宝物ブロックだよ!君にプレゼントらしい……やるねぇ!」
ぷいぷい!
タケシは手をふると ねえねぇ!いい匂い!
「こら!殺し文句だろ?」
タケシは ミアのスカートにスリと 顔を寄せ上を向いた
きれい!おめめ!そらのいろ
ああかわいい!
「タケシ!なんていうんだっけ?」
「だいすき!」
「は……い」
ミアとリョウが同時に首を傾げた
「ありがとうだろ!」
だぁいちゅき……きれいね!おひさまみたい!かみ!
ああもはや!
ミアは ぎゅっと タケシを だきしめた!
「なんかごめん!単語知らなくて」
「いいの!あったかい子ほっとする」
よかったよ!
絵本はよく読むけどね!
あやつれなくてね
私もだぁい好き!タケシ!ね!だぁいちゅきよ!
にぱー!
タケシは満面の笑み!
サンチャイ!
三本立てたいらしい指が 二本 三歳よね!
ミアが 笑んだ!
なんて純粋!
ミア?
ん?
母さんが帰ったら 彼女っていっていい?
「へ?」
ミアが首を傾げる
「恋人ってこと!」
彼は真っ赤になった!
ミアは 一気に真っ赤になる!
「ごめん!それしか紹介法なくて!」
だめ?
問われ
ミアは いいとうなづいた!
やった!
リョウは 跳ねた!
ガチャガチャ!
タケシが何やら振って持ってくる
ねえねぇ!あけて?
ん?
金属?
箱?
こう?
カパ……開ける!
中には反射する色とりどりの 紙で包まれた 丸いもの!
「振ったら砕けるだろ?」
あげゅ!
「おまえね」
じゃあね!1つ!
ミアは貰った
丁寧に開けると!甘い香りの 割れた丸?
「飴さ!砂糖?」
「わ……口にいっぱい!甘い」
「でしょ!」
「うん……」
ねえねぇ!オヨメサン?
へ?
へ?
2人は同時に顔を見合わせで 爆笑した!
「もう!」
リョウが タケシの頭をクリクリと混ぜる
「うぴ」
タケシが!バンザイした!
「癒される」
ミアは 涙目になりながら笑う!
「みーあ?」
「ん?」
タケシが呼んだ!
みーあ……
そう……ミアよ!
「驚いた!認識した!」
ねえねぇ?みーあ?
「そう!」
だっこっこー
わらーとかける!
ポテ……ミアの膝に 頭を預けパタパタと足を動かす!
ミアは 壊さないように抱き上げた!
「みーあ!きれい!だぁいすき!タケシすき!」
「うん……」
「なんだろね!泣けた!」
リョウが鼻をすする!
「ありがとねー!」
「うみゅ……」
タケシは目を擦る!
みーあ!
ぺちょ!
ミアの 袖を摩り タケシは目を閉じた
「ありゃりゃ!重いだろ預かる!」
「いいよ!あったかい!」
「きゅ……」
タケシの寝息!
ミアは 鼻歌を 歌う……
ん……
リョウが 反応した
「なんだろ……聞いた事あるな!」
エルフの 子守り歌よ!
エルフってあの?
「そう……」
なんでだろ
ミアは続けた!
「待ったこう続く?慕わしき子よ……お眠り……」
「そう……」
「あれ!」
「!」
ミアはすごく嬉しい……なんだろ!
「愛しき君の歌歌おう……」
そう!
リンクした
ガチャ!
ドアの開く音
「母さんだ!」
「母さん!」
「なあに!いい年して!大声だして!」
きっぷの良い 丸いお母さん
「あら綺麗外人さん?」
「えへ!僕の恋人」
「これ!バカ言って!こんな綺麗な子が!アンタに惚れないでしょ!」
「いてえ」
リョウがはたかれた
「あの……いえ……恋人です」
「日本語上手いのね!ようこそ!マァマァ座ったら!うれしいわぁ!」
お母さんは
どさりと荷物を置く
クッキー出してあげてリョウ!
「お嬢さん名前は?」
「ミアです!」
ミアちゃん!いいねぇいい子だ!
でかした!リョウ
母さんってば!
「将来安泰だわ!」
母さんってば!
ご飯食べてく?
「うちゅ……」
タケシが目を開けた!
「まんま……」
みーあー
おやま!めずらしい!
1回で!
「そう!ビックリだよ!」
みーあ!
ミアの髪を ひく
こら!
リョウがとめる!
痛い痛いだろ!
たいたい?
ん?いいよ!
ほんとにいい嫁さんだ!
母さん!
リョウがはねた
「果報もん!」
うっさいな!
ミアごめん!
みみうちする
「うれしいよ?」
「あ……」
リョウが真っ赤になる……
ミアってば!
本当によ!
言うとリョウは
僕……
いいから!
ほぉら!
あの クッキー!
わかったってばー!大声だなあ!
リョウは 綺麗な缶を 出してくる
「はい……どうぞ!」
わぁー
クッキーだよ食べるのさ!
美味しそう
1枚とる
真ん中に赤い窪み
いちごジャムのクッキーだよ!
おいしい!
だろ!
僕も好き
クック
タケシが手をのばす
それはメレンゲクッキー
わぁー
ミアは 何にでもわぁーと反応しリョウと 笑った
女の子の笑い声!いいね!
ふふ!
母さん!ご飯!
「待ってなさい!テレビ見て!」
「テレビ?」
「ん……そ!あの板さ?」
板?
ピッ
音がしてガシャとぶつかる 何か
ミアは目を丸くした!
あの中に?なにかいるの?
「いやね今はみんなこうして楽しむんだよ!」
ピッと画面を変える
美味しそうな 果実!
「これ!果実酒の宣伝」
ふーん!
面白そう!
ミアが 身を乗り出した!
ざっ!
と?お母さんの方から水音?
井戸?
水道さ!
水道?
水を引くんだよ
ミアはコロコロと表情を変え リョウは なんだか嬉しそうだ!
かわいいなぁ!
つぶやいて 頭をかく!
泊まっておいきミアちゃん!
お母さんが楽しそうに言った
「母さん!失礼だろ?」
ふふ……ミアは 笑った
「ありがとうございます」
「ゴメンな」
うれしくて
ミアの微笑みにリョウはポトリと クッキーを 落とした
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