第一章

 第一章 ライゾの塔


 ミア は 長い金糸の髪を風に揺らして ちいさな石塔のまえに来た

 導きの塔 ?ミアが首を傾げる

「小さくてびっくりしたかい?ミア」

 ユニコーンが 鼻から息を漏らした

出ておいで精霊この人は人間族じゃないよ

 かつんかつんと蹄をならす

「でておいで精霊たちミアだよ」

 ててて……

 ちいさな小人がとびだしてきて

 わらわらとミアをとりかこんだ

 大きめの瞳 小さい くちびる

 ノーム?

「違うよミアそれより小さきもの」

 小人族だよコロポックルににてるかね

 1人の小人が蘭の葉を滑り台に

 それー

 おりると

 こう言った

「ようこそミア」

 周りの小人も習ったかのように ようこそミアと口にした

「あのねミア」

 小人はいった

 暗黒の渦が 森をくらいはじめているんだ

 たすけておくれ

 あなたならできるわ

 小人の夫人が ミアの手にしがみつく

 どうしたらいい?

ユニコーンをみると

「私はテルだよミア」

 名乗ると瞳を閉じ角がオーロラにかがやいた

 ぽ……

 オーロラの短剣

 ――ここでとどめてしまわなければ人間も危ないんだ

 エルフ達も頭を抱えている……

 この短剣で一撃みまえば渦は消える

 まるでブラックホールが

 森のそこかしこにあらわれているようなんだよ

 そのオーロラの短剣は星雲の力をひめている

 ミアならできるよ

 ……できる……できる……

 小人達が声を揃えた

 たのめるかい?

「それが呼ばれた理由なのね 」

「うん」

 テルが 鬣を揺らす

 

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