恋をした相手は"普通"の人でした

とわ

第0話

一目惚れなんて漫画や小説の世界だけだと思っていた。現実にも存在するんだとこの身を持って知った。雷に打たれたような感覚なんて出てこないけど、きっとその時の僕の心臓はどくどくと脈を打ち、心はひどく興奮していた思う。彼を見て最初に思ったのは


「綺麗な人」


本当にそれだけだった。たまたま大学ですれ違っただけなのに、びっくりするほど彼が気になってしまう。名前も知らない彼のことを。あの時の横顔が頭の中から離れないでいて夜は元々寝るのが得意ではないのに重ねさらに寝るのが難しくなった。もう一度だけ彼を見たい。彼の名前も知りたい。彼の好きなことを知りたい。彼の見ているものを世界を知りたい。これを世間一般で言う恋と言うのだろうか。これが恋ならこの感情をどう抑えればいいのか。もしこれが恋だとしてもこんな恋叶うはずがない。それは僕が一番知っている。あんな素敵な人に僕が近づいていいはずがない。





だって僕は殺人鬼予備軍と言われた人間かいぶつなのだから。

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