第23話 飢えの計略
北東の空は薄く鋼色で、都を包む寒気は、息を吐くたびに喉の奥を狭くした。石畳の継ぎ目に沁みこんだ夜の冷えが朝になっても抜けず、露台の欄干は触れると指の脂を瞬く間に奪う。王宮の地図室は、夜の灯の煤(すす)をまだ匂わせ、長卓の上に広げられた羊皮紙には、川筋や峠筋や村の名が濃淡の筆致で交錯していた。
楓麟(ふうりん)が、その地図の上に赤い点を四つ打った。筆先が触れた瞬間、赤は紙の繊維にじんわりと吸われ、色の縁を柔らかくした。彼は耳を一度だけわずかに動かし、風の無い室内に、それでも風の高さを探すように目を細める。
「補給の遅滞が積み重なった。紅月の前線から“兵糧短欠”の狼煙が三度、昨日今日で連なった。――次に彼らが取るのは『奪う』策。白風領内の街道沿いの四村、ここだ」
点の周りに、薄墨で小さな円が描き足される。円は、村の規模ではなく、噂の広がる速さを意味していた。噂は、寒いほど速い。人の口は鍋を囲むほどよく開き、開ききらない言葉が白い息に混ざって外へ出る。
遥(はるか)は地図の前に立ったまま、指を組み合わせていた。気づけば、掌の皮は薄く割れて、机に触れると少し痛む。冬の痛みは小さい。小さいのに、ひどく長い。彼は赤い点を一つずつ確かめ、深く息を吐いた。
「先回りする。――嘘と、隠し場所と、札。どれも薄く、でも強く」
楓麟が頷き、策を二重に分けて語った。第一は「空の蔵」。村の共同蔵から食料を抜き、別の地中穴蔵に移す。出入り口は農具置き場の下、作りかけの塀の陰、畑の畝の影。空になった蔵には“半分の麦穂”の印を残し、目の端で安心する者には十分、目の奥で疑う者が覗き込めば不安を呼ぶ程度にだけ満たして見せる。第二は「見える御用」。王命の札を公然と掲げ、村人を道端の“公共工事”に動員する。石を運び、橋の板を打ち直し、側溝の氷を砕く。外から見れば「労役で動けぬ村」。中身は「食料を隠し終えた村」。敵が来れば、蔵は空、労役は王命。兵は手ぶらで引き返すか、無辜(むこ)を斬って悪評を背負うかの二択になる。
「嘘を重ねる怖さは、分かっている」
遥が言葉を継いだ。自分に向けるように、そして目の前の二人――楓麟と、壁際に立つ藍珠(らんじゅ)に向けるように。藍珠は肩の包帯を上衣の下に固定し、剣帯をいつもより少し高い位置で結び直している。包帯の白が、ごく薄く衣の襟から見えた。
「嘘が過ぎれば心が腐る。だから線を引く。生かすための嘘だけ。奪うための嘘は、つかない。――王命の札にも、嘘は書かない」
楓麟は白い外套の袖口で筆を拭き、細い筆を砂盆の縁に立てかけた。砂がさらりと鳴る。
「線は王が引くものだ。引かれた線の中で、我らは手を汚す」
藍珠が短く笑った。笑いに力はないが、芯はある。
「汚れは水で落ちる。落ちないのは、血だ。――今回は、血はできるだけ流さない」
◇
午の少し前、王宮の広間に四つの村の長老が呼ばれた。とうに白髪になった女も、まだ背筋の伸びた男も、袂(たもと)に凍みた風を連れて来た。麻の上着を二重に重ね、腰には藁紐を巻いている。彼らの手は農具を握る手で、紙より土の温度を多く知っている。
「蔵を空にします」
遥の言葉に、長老たちは目を見合わせ、最年長の男が少しだけ眉を上げた。
「空に、ですか」
「空に見せる。中身は、地中へ移す。穴掘りと運び出しは、若い者に頼む。印は“半分の麦穂”。――これは嘘だ。だが、奪うための嘘ではない。生かすための嘘だ」
最年長の男は静かに頷いた。頷く前に、ほんのわずか唇の端が震えた。震えは怒りではなく、迷いでもなく、記憶だった。昔、戦の年に、一度だけ蔵を空にしたことがあるのだと、彼は語った。蔵の前で人がもみ合い、壺が割れ、麦が雪と混じって地面の泥に消えた冬のこと。消えた麦は春には戻らない。
「嘘は……人の口より先に、人の背を曲げます」
最年長の女が口を開いた。
「王さま、その線は、誰が見張る」
「私が見張る」
遥ははっきりと答えた。小さくはない声で。誰もが聞くべき高さで。
「嘘は重い。重いから、王の肩で受ける。あなた方の手は、穴を掘る手でいい。札に書く嘘は、書かない。――札は真を記す。“冬借の返済は春の労役で良い”“病人と子の分は別”。その二つは、王命だ」
長老たちは深く頭を下げ、立ち上がった。帰り際、最年長の女が懐から薄い布包みを取り出し、卓に置いた。藁で巻いた根。辛い匂いがする。
「干した根です。寒の粥に辛みを少し。舌が生きていると、人は冬を渡れます」
藍珠が目だけで微笑み、楓麟が軽く頭を下げた。王は包みを両手で受けた。布越しに、根の固さが指に伝わる。固さは、冬の別名だ。
◇
城下の配給所では、鍋の前に新しい札が掛かった。太い筆で書かれた大書。「冬借の返済は春の労役で良い」「病人・子の分は別」。札の下で、粥の湯気が白く揺れる。湯気の向こうで、黒衣が囁く声は弱まり、偽札の流通は目に見えて鈍った。札は言葉であり、灯であり、盾でもある。
「薄くするな。――鍋は薄くするな」
遥は配給所で自ら木杓子を持ち、子の椀に粥をよそいながら、書記に振り返った。書記は手にした板札に線を引き、彼の言を記す。書く音は、火と同じくらい人を温める。
「闇市が太ると、春に必ず骨が折れる。鍋は厚く、帳は正直に。嘘は書かない」
「王は戦の紙を粥の横で書くんですね」
書記がからかうように笑う。
遥は答えた。
「鍋と紙が同じ机にある国は、まだ壊れていない」
笑いが短く湯気に混じり、消えた。消える音はしない。消えた笑いの跡だけが、湯気の揺れる速さを少し変えた。
◇
夜半、四つの村では、火影が動いた。藁屋の軒にかけた梯子が下ろされ、共同蔵の戸板が静かに外される。若い者たちが足音を出来るだけ石の音に似せ、俵を抱えては畑の外れの穴へ運び入れる。穴の中には、乾いた草が敷き詰めてある。湿りを嫌う粟と麦は、草の上で音を立てない。穴の口は朝までに藁と板で塞ぎ、土を戻し、足跡に灰を撒く。灰の撒き方は村ごとに違うが、どこも手際が良かった。戦の年は、何度かあったのだ。
蔵の内側の棚には、半分の麦穂の印が掛けられた。俵の上には藁束と古布を並べ、遠目に豊かに、近目に貧しく。不意に入った徴発役の目に、最初に写るのは「ある気配」で、すぐにそれが薄いことに気づくように。人の心は最初の一秒に引かれる。二秒目で咎める。三秒目で腹が立つ。四秒目には、刃を思う。
同時に、道端には杭が打たれ、橋板が並べられた。王命の札は風で鳴る。鳴るといっても、鈴のようには鳴らない。札の角が木に触れて出す乾いた音。労役表には都の書記の名が朱で入る。名は重みだ。名の重みは、兵の足を少しだけ鈍らせる。
◇
紅月の徴発隊が最初の村に入ったのは、霜がまだ草の根に白く残る午前だった。赤い外套に灰の綿帽子、馬の腹は薄い。隊長の男は頬に古い傷を持ち、傷の深さのぶんだけ言葉が辛辣だった。
「蔵を開けろ」
蔵は空に近かった。わざと残された俵がいくつか、軽い。軽さは怒りを呼ぶ。怒りは、凍えた指の痛みと良く結びつく。隊長は俵を蹴り、老人の胸ぐらを掴んだ。老人は倒れそうになったが、倒れなかった。倒れると骨を折る年齢を知っている手で、蔵の縁を掴んだ。
「どこへやった」
老人は首を振り、目を伏せるでもなく、まっすぐに隊長を見た。言葉は喉で凍っていた。
そのとき、蔵の裏手から、幼い子の泣き声が走った。
「王の札を見せに都へ行ったんだ!」
意味は曖昧だ。だが、効果は明瞭だった。隊長の顎がわずかに上がる。“王命に触れる”。その四字は刃より冷たい。評判を汚せば交渉の材料を失う。隊長は舌打ちし、老人の胸ぐらを放した。老人の胸の布に、隊長の指の跡が残る。布の跡は痛くない。だが、記憶に残る。
「次だ」
短く命じ、隊列は村を抜けた。抜ける背中に、少年がずっと睨みを投げていた。睨みの中に憧れはない。あるのは、冬を越える目だ。冬を越える目は、春に涙を溢れさせる。
◇
第二の村。蔵は同じく空に近く、道端では“公共工事”として橋の補修が進んでいた。凍ってひび割れた板を剥がし、石の詰め物を入れ、板を打ち直す。杭を打つ音が冷たい空気を震わせる。王命の札は、ここでも風で鳴った。労役表には都の書記の名に加え、王の名が小さく添えられていた。小さく添えるのは、権威を誇示しないためではなく、名前が札より先に歩かないようにするためだ。
徴発隊は二人の男を縄で引き立てようとした。だが、男たちは泥のついた手を掲げた。手のひらはひび割れ、血が乾いている。
「王命だ。橋を落とせば紅月の兵も渡れないぞ」
兵たちは互いに顔を見合わせ、わずかに笑う者すらいた。その笑いは隊長を苛立たせた。苛立ちは寒さで硬くなり、何かを切りたい衝動に変わる。だが、切れば残るのは悪評だ。隊長は馬上で体を少しずらし、鞍の軋みの音だけを残して踵を返した。
「次だ」
命は短いほど重い。短い命令ほど、人は逆らえない。逆らえないのは、恐怖のせいだけではない。寒さのせいでもある。寒いと、人は話すのをやめる。命令の数だけ人は動き、寒さの数だけ人は考えるのをやめる。
◇
第三の村。蔵は同じく空に近く、外れの畑で塩を煮る煙が上がっていた。鍋は大きく、白い湯気が冷たい空に薄く広がる。藍珠が仕組んだ「塩煮場の囮」だ。塩はこの国では戦の血より重いときがある。冬の湯にひとつまみ落とす塩が、人を死の手前に踏みとどまらせることがある。
「押収しろ」
徴発隊は鍋へ殺到した。だが、鍋は“湯”だった。塩は極薄。運ぶ労力ばかりがかかる。背に担いだ樽は帰り道で冷える。冷えた湯は氷になる。氷は塩の薄い証拠だ。押収の手間は、士気を削るという形で前線に戻ってくる。
藍珠は遠くの藪から、その様子を見ていた。肩の傷がうずき、吐く息が短くなる。
「戦は、血だけじゃない。――塩と水と冷えだ」
ひとりごとのように呟く声は、雪に吸われて誰にも届かない。だが、その言葉は彼自身の骨に残った。楓麟が隣で頷く。彼の頷きは、風の高さを一段下げるときの頷きだった。
「王は都で“暖かさ”を作っている。こちらは“冷たさ”で押し返す。同じ線の、別の端だ」
冬の作戦は、刃を数えるより、匙を数えるほうが難しい。匙は小さい。小さいものを数えると、人は疲れる。疲れた頭は、刃の音を求める。刃は分かりやすい。だが、分かりやすさは冬に向かない。
◇
都の塔。狼煙番の若者が空を割るように目を開き、指で風の向きを測った。北東に一本、北に一本、煙は短く切れてから長く伸びる。「遅滞」という読みが、火の小さな唄で塔の中に落ちる。
「北東一、北一、遅滞!」
若者の声は、寒さで高く、喜びで少し震えた。遥は頷き、配給所に伝令を走らせる。
「粥を一釜増やせ。――兵の鍋は厚く、民の粥は薄くしない。そのための嘘は書くな」
書記が笑い、紙に線を引いた。線は単純だ。単純な線は、冬に強い。複雑な線は、春に向いている。冬に春の線を引くと、足を取られる。彼らはそれを学び、学んだことを忘れない努力を続けていた。
◇
夕暮れまでに、四つの村はそれぞれに「空の蔵」を守り、「見える御用」を続けた。穴掘りを終えた若者は手のひらの皮がむけ、指先の感覚が遅れて戻ってくる。戻ってきた感覚が痛みを連れてくる。痛みは、生きている証拠の中で一番わかりやすい。
都に届く報は、薄い紙に短く記された。遥は配給所の台の端に紙を置き、子に粥をよそいながら、一行を書き加える。
「空の蔵、成功。塩囮、成功」
書記が笑った。
「王は戦の紙を粥の横で書くんですね」
遥は杓子を鍋の縁に置き、書記を見た。
「鍋と紙が同じ机にある国は、まだ壊れていない。――鍋しかない机は飢えに負け、紙しかない机は嘘に負ける」
書記はうなずき、紙を乾かすために火のそばにかざした。火が紙を舐めないよう、注意深く。注意深さは、冬における勇気の別名だ。
◇
その夜、紅月本陣では、細長い木札に「徴発成果薄」の文字が並んだ。若い将が地図の上に手を置き、唇を噛む。
「ならば、都へ直に圧をかけるしかない」
老練の副将は首を振った。彼の髭には霜が残っている。言葉は低く、よく燃えた炭のように熱を内に持っていた。
「腹が鳴る兵で都は落ちぬ。春の前に雪に足を取られる」
「ならば、春まで待てというのか。待てば、白風は囲いを厚くする」
「厚くするのは囲いだけではない。民の鍋も、兵の鍋も」
若い将は拳を握り、机の縁を叩いた。音は短く、室の空気は重いまま沈んだ。その沈みは、彼の胸の内で亀裂になり、音を立てずに広がっていく。亀裂は、戦場よりも先に、言葉の間に現れる。
◇
王宮の中庭は、星が近く見える夜だった。石の床は白く、樹影は黒い。風はない。風がない夜は、音が耳ではなく骨で鳴る。藍珠は外套を脱ぎ、肩の包帯の結び目を確かめた。動けば痛む。痛みは、彼の一部になりつつある。彼は空を仰ぎ、星の冷たさに息を細くした。
「飢えを刃にする戦は、俺の剣より重いな」
重さは、肩にではなく、胸に来る。剣は振れば落ちる。飢えの刃は、静かに、長く、広がる。藍珠は目を閉じた。目の裏で、塩の薄い湯が白く揺れ、氷の橋が沈み、子の椀に粥が満ちる。どれも同じ重さではない。どれも違う重さを、同じ体で持たなければならない。
楓麟が横に立った。足音はしない。彼が来ると、空気の高さがほんの少し変わる。風を連れていないのに、風の気配だけが近づく。彼は中庭の端に目をやり、低く言った。
「王は鍋を守り、我らは道を塞ぐ。重さは分け合っている」
藍珠は短く笑った。笑いは白くならない。
「なら、もう少し持てる」
「持てる。――持たせるのが、私の仕事だ」
楓麟はそう言って、星を見上げた。星は遠い。遠いものは重くない。重くないものに、願いは乗せやすい。願いは軽く、だからこそ遠くへ行きやすい。遠くへ行った願いが、春に戻ってくるとき、重さを手に入れていると信じたい。
◇
翌朝、塔の上で狼煙番の若者が二度、火に息を吹きかけた。吹き方に癖がある。癖は、訓練された者の証だ。北東の空に細い煙が伸び、切れ、また伸びる。
「北東一。北一。――空転」
空転。敵の動きはある。だが、力になっていない。紙の上の文字は乾き、王の机の端に積まれる。積まれた紙は重くない。重くない紙を、王は一枚ずつ読んだ。読むたびに、紙の重さが指に移る。移った重さは、彼の背に回る。
配給所では、鍋の蓋が上げられ、湯気が白く立つ。医の館では、凍傷の兵が指に温(ぬく)みを取り戻す。道端では、労役の男が石を打ち、女が裂き布を縫う。蔵の中の半分の麦穂の印は、今も風で揺れる。揺れは小さい。小さい揺れを見て、敵が心を乱すなら、それは彼らの弱さだ。小さいものを笑う者は、冬に負ける。
黒衣の囁きは、弱い日と強い日を交互に持ち、偽札は風のない日にだけ少し流れ、すぐに止まった。札の角に触れた子の指に、墨の匂いが移る。匂いは記憶になる。記憶は春まで残る。
◇
夜、評議室で紙を閉じた遥は、窓を開けて夜の匂いを吸い込んだ。冷たい空気は喉に短く触れ、胸の奥に長く残る。残った冷えの上に、言葉を一つ置く。
「飢えを刃に使う。――嫌な戦だ。でも、剣よりも確実に、命に触る」
呟きは誰にも届かない。届かないけれど、石に染みる。石に染みた言葉は、朝になっても消えない。
彼は灯を落とし、中庭へ出た。藍珠がそこにいた。楓麟も、少し離れた柱の影に。三人は何も言わず、王宮の屋根越しに北東の空を見た。星は多くない。多くないのに、見つけられる。冬の星は、そういうものだ。
「王」
楓麟が呼んだ。呼ばれて、遥ははじめて、寒さの中で自分の体が温かいことに気づいた。鍋の火、紙の上の墨、子の椀、兵の指、穴蔵の草。どれも小さな温かさだ。小さな温かさがつながって、冬の線になる。
「春までに」
遥は言った。言いながら、胸の奥の重さを確かめる。重さは変わらない。変わらないのに、持ち方が少しだけ上手くなった気がする。
「春までに、飢えを刃にさせない。――奪うための嘘は、つかない。生かすための嘘だけで、冬を渡る」
藍珠がうなずく。楓麟が、耳をわずかに動かす。風はない。ないのに、風の気配だけが、三人の間をたしかに通った。
遠くで、雪が屋根から落ちる音が小さくした。誰もそれを見なかった。見ないうちに、音は終わった。終わった音の跡だけが、冬の夜の薄い膜に小さな波紋を広げた。
鍋の蓋が、どこかで静かに持ち上がる。
粥の湯気が一つ、星のない空へ細く伸びる。
その細さを、誰も笑わない。
細いものを笑わない国は、まだ壊れていない。
飢えの計略は、刃の形をしていない。
刃の形をしていないからこそ、王は鍋と紙を同じ机に置き、札を風に鳴らし、道を塞ぎ、蔵を空に見せ、穴に草を敷く。
剣士は痛いと言いながら前に出て、宰相は風の高さを一段下げ、若者は狼煙を読み、女は針で縫い、子は椀を抱える。
冬はまだ深い。
深い冬の底で、白風の囲いは、今日も音を立てずに濃くなった。
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