テンプレ小説＝エロ漫画説

テンプレ小説＝エロ漫画説

　私も当初は信じられなかったのですがランキングを見る限り、カクヨムは少年漫画の主人公のような

好感が持てるキャラや先が読めないストーリーの小説を楽しむ場ではないようです。

　そしてそのランキングに載っている作品には共通点、いわゆるテンプレがあってそれがどうも私が大好きな

エロ漫画に酷似しているようなのです。

　なのでテンプレ小説とエロ漫画の共通点を下に挙げてみました。

1.チートスキル

主人公が相手に自分の意志を強制させるような強力な能力を手に入れて無敵状態になる。

テンプレ小説：異世界転生などの際にチートスキルを得て一気に無双する。

エロ漫画　　：急に手に入れた催眠アプリなどで相手を服従させる。

2.ハーレム型恋愛構造

主人公に惹かれる複数のヒロインが登場し、次々と親密な関係を築いていく。

テンプレ小説：パーティーメンバーや村娘、貴族や王族など多彩な女性陣が順次ヒロイン化。

エロ漫画　　：タイプの違う複数の女性を登場させ、飽きさせないよう1話ごとに別キャラとの絡みを描く。

3.ご都合主義的展開

重要な戦闘での「突然の能力開花」「どんなに苦戦しても絶対に誰も死なない」など、

物語のリアリティよりも読者を満足させストレスを与えないことを優先した展開が続く。

テンプレ小説：主人公が偶然出会った貴族や王族とすぐに親しくなり打ち解けるなどのご都合展開。

エロ漫画　　：どんな女性でも突然の催眠アプリなどで即座に抵抗不能にさせるご都合展開。

4.ストレスフリー構造

深い心理描写や長期的ジレンマを排して読者がすぐに感情移入・興奮できるシーンを連投する。

テンプレ小説：チート能力で気に入らない悪党を成敗。なぜ悪党が蔓延るかといった社会構造などへの疑問はほぼ無し。

エロ漫画　　：「無理やり強姦→あっという間に女性が快楽を得る」などの描写で読者に余計な罪悪感を残さない。

5.エピソードを重ねるごとのインフレ

刺激に慣れた読者を飽きさせないためにストーリーが次へ進むたびにインフレしていく。

テンプレ小説：ストーリーが進むたびに主人公の身分や能力、登場する新ヒロインの身分などがインフレしていく。

エロ漫画　　：回を追うごとに性描写がインフレしていく。凌辱系エロ漫画などが典型例。

6.願望の投影

現実では得られない万能感や無双感により、努力や苦労を飛ばして成果を得る爽快感を与える。

テンプレ小説：現実では難しい「即効性のある成功」や「完全な自己実現」を疑似体験できる。

エロ漫画　　：現実では得られないような性体験を描いて読者の欲求を満たす。

　特徴としてどちらにも「短時間で即物的に満足感を得られる」「高尚なテーマが無くて頭を使わずに読める」

「欲望の充足を最優先する設定とストーリー構成」という構造的一致点があります。

　「そんな共通点はお前に指摘されるまでもなく知ってるよ」という方もいらっしゃるでしょうが、

手練れの作者の方とは違ってこれから新規に小説を投稿しようとする方の中には、理屈では分かっていても

中々テンプレ通りの作品を書けないという方もいらっしゃると思います。

　そういった方には是非とも「小説」を書くのではなく、自分は「エロ漫画」を描いているという意識を持って欲しいのです。

　それでは具体的に何を意識すればいいのかを次で書きます。