悲しいほどに甘くてあたたかい。幸せを願いたくなるホラー。

かみさまが見えるいのりと、かみさまの花嫁になる蜂蜜。
二人の物語は、全寮制の女子校にいのりが転校し、蜂蜜と同室になることから動き出します。
二人のやりとりが可愛らしくて、ちょっともどかしくて。
この作品が「ホラー」であるということを忘れてしまいそうなほどです。

そして忘れそうになった頃にやってくるのが、かみさま。
このかみさま、非常な厄介です。

まず、いのりを「すりおろしたい」かみさま。
そんなかみさまに「すりおろしましょう!」と賛同する謎の声。
とにかく気味が悪い。このシーンが出てくると、作中の空気ががらりと変わります。ぞくぞくと背筋が寒くなるくらいに。
加えて、実害が出るのでタチが悪い。

そして、かみさまの「花嫁」にさせられる蜂蜜。
両親もかなり酷いものです。どうしても実家に帰らなければならない日が寮にはあり、そのときは彼女のことが心配でたまらなくなります。
怪我もせず、また寮へ帰ってきてくれるのかと。

人にはわからない孤独や悩みを抱えて生きてきた二人。
互いが互いを支え合う存在になるのに、そう時間はかかりませんでした。
二人で過ごしている時間は甘くて、切なくて、あたたかくて。ずっと続いていてほしいと願いたくなるほど。
だからこそ、二人の幸せを願わずにはいられないです。
かみさまにとらわれず、二人で幸せになってほしいと。

いのりと蜂蜜、二人はどのような結末を選択するのでしょうか。

ぜひ、皆様も読んでみてください。

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