ENCORE AGAIN

逢樺

第1話 プロローグ

モニターに映るコードが動き出し、システムがチーム全体に共有された。

仲間の声が飛び交う中で、悠斗はひとり静かに息を吐いた。


「――やっと、ここまで来た」


三十二歳。

二十代の頃から口にし続けてきた「プログラマーになる」という夢。

けれど現実は甘くなく、挑んでは挫折を繰り返した。

三十を越えたときには、本気で諦めかけていた。


そんなとき――彼女に出会った。

「ずっと夢を語ってきたんでしょ? だったら最後までやりなよ」

その笑顔に、どれほど救われただろう。

あの夜の言葉がなければ、夢は夢のまま終わっていたかもしれない。


夢はようやく現実になった。

でも、それは自分一人の力じゃない。

支えてくれた彼女がいたからこそ、もう一度立ち上がれたのだ。


これは、夢を語り続けた一人の男が、途中で出会った恋人の支えを受けて、諦めかけた夢を現実に変えていった物語である。

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